魅惑のチョコレート~カサ・アマリエ
初版 2022/07/25 15:00
改訂 2024/01/28 21:26
皆さんはアマリエというチョコレートをご存知でしょうか。1797年創業のバルセロナの会社の製品です。ミュシャの絵の缶に入っていることでも有名かもしれません。デザインが良いだけでなく、実際とても美味しいチョコレートです。
ミュシャの絵が描かれており、リーフ型のチョコレートが入っています。アーモンドのチョコレートが特に絶品ですが、アーモンドのチョコは日本ではほとんど売っていません。
ミュシャの絵柄は三種類。左上から「夢想」右上「桜草」左下「ビザンチン」、右下「カフェ」のみラファエル・ド・ペナゴスの作です。
2018年、バルセロナに行った際、この会社の三代目経営者アントニ・アマリエ氏の邸宅、カサ・アマリエを見に行きました。
グラシア通りに「不協和音の一角」と言われる場所があります。当時モデルニスモの建築家として有名だったガウディ、モンタネール、カダファルクの三人が100メートルの間に競い合うように邸宅を作りました。それぞれが美を競い合う統一感の無い建物のせいで「不協和音の一角」と呼ばれるようになったのです。右はガウディ設計の「カサ・バトリョ」で、その左にあるギザギザ三角の家が今回ご紹介するガダファルク設計の「カサ・アマリエ」です。
この階段状の三角屋根は「オランダ風切妻屋根」と言われています。バルセロナの建物ではまず見ないゴシック様式です。ゴシックといってもかわいい感じですね。
下から見上げたカサ・アマリエです。エスグラフィアートという壁に文様を彫った特徴的な外観です。これは日本の家紋にあたるもののようで、それぞれの家固有の模様があるようです。このエスグラフィアートは、北部セゴビアの家々にも見られました。
入口の柱には守護聖人サン・ジョルティの像があります。
受付を終えて入口を入ったところです。正面左にアマリエの経営するカフェが見えます。
この丸型のステンドグラスはどの場所にも置かれておりとても美しいです。
ホール左の照明です。この丸い鮮やかなガラスが邸内デザインのベースとなっています。
この階段からカサ・アマリエの見学ツアーが始まりますが、カサ・バトリョと違い、ガイドさんが邸内を説明する形式になります。日本語ツアーがないので私達は英語の説明を受けました。見学前に靴の上に靴袋のようなカバーを掛けること求められ、その後館内を歩きます。2015年に改修が終わり、とても建物を大切にしていることが分かります。となりのカサ・バトリョは「東博の特別展」を思わせる大混雑ですが、こちらはとても人が少なく快適です。ツアーは12名の定員なのですが、私達夫婦を含め計4人と余裕のある見学となりました。
入口ホールの彫刻と梁です。かなり装飾的な外観になっています。
天井は吹き抜けでステンドグラスが嵌められています。明るく開放感があります。
赤いカーペットの刺繍も大変複雑です。段差も小さく昇降がしやすい階段になっています。
ホール天井のステンドグラスです。アールヌーボーを思わせる模様が美しいですね。
天井ホール全面がステンドグラスというのも大変珍しい気がします。
ちょっとした窓の装飾もきれいです。窓の丸模様とランプシェードの丸が共鳴しています。
窓からグラシア通りが見渡せますが、これがカサ・バトリョでしたら、のんびり外を眺めることもできません。
メインダイニングです。暖炉の前で寛ぐ木製の椅子と一体になった木枠の珍しいデザインです。光が入って良いですね。
奥の暖炉はこんな感じになっています。
美しいリビングルームです。色の組み合わせが素晴らしい。
天井は古いイスラム建築を思わせる細工がされています。
ドアノブもアールヌーボーらしい優雅な曲線を描いており、とても手間の掛かった造作になっています。
娘さんの寝室のベッドも凝った彫刻が施されています。
陶器のコレクターであったアマリエ氏のコレクションルーム。私もこんなところに若狭塗を飾りたいです。
ツアーの最後に一階の階段ホールで、アマリエのホットチョコレートが出されます。ちょっと塩味が効いていてとても美味です(私も自分で作るココアには必ず塩を入れます)。これをチュロスに付けて食べたいです!
カサ・バトリョも良いですが、このカサ・アマリエも素晴らしい邸宅なので、バルセロナに行かれた際は是非見て欲しいと思います。
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レLEGOの日記
2024/01/28見学できるんですね😳
すごいことだ!
ホットチョコレート、美味しそうです🤤
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