噴水天国👼（by フィンガー５）

ローマは美しい噴水が多い事で知られています。今回のローマ訪問でもいくつか噴水を見てきました。

ご存知『トレビの泉』。ニコラ・サルヴィの設計で1762年に完成しました。ローマで一番大きく世界で最も有名な噴水のため、いつも人であふれています。

ネプチューンの彫刻が素晴らしいです。

夜のトレビの泉はこんな感じ。人が多くて泉の水がよく見えません。

パンテオン前のロトンダ広場にも立派なオベリスクを持つ噴水があります。このオベリスクは「マクテオ・オベリスク」と言われています。

7メートルほどの小型のオベリスクは「ラムセス二世」の時代のもので(ということは3200年ほど前)、エジプトからローマ帝国のドミティアヌス帝が運んできました。ミネルバ、 ドガーリ、ボボリ（現在はフィレンツェ）のオベリスクなどと同様、イシデ神殿に建てられていたオベリスクです。泉水盤は1575年にジャコモ・デラ・ポルタによって作られました。
フィリッポ・バリッジョーニ(1690～1753) が1711年、オベリスクを中央に立てた噴水を作りました。イルカと蛇は、ヴィンチェンツォ・フェリーチ（Vincenzo Felici）の作とのことです。

パンテオン側から噴水を見たところ。まるで「前川清を囲むクールファイブのコーラス」かと思われる可愛らしいイルカ像。

「おじさんとイルカ」の組み合わせが強烈。四面ともおじさん、イルカは違う表情ですが、どれも変顔選手権の上位入賞者です(笑)。

パンテオンから徒歩数分のナヴォーナ広場にも有名な噴水があります。ナヴォーナ広場は南北へ縦長に広がる広場で１世紀の古代ローマ時代に「ドミティアヌス競技場」として造られました。「ベン・ハー」の競馬シーンを思い起こさせます。

ベルニーニ作『四大河の噴水』。『四大河の噴水』のタイトル通り、この作品は17世紀当時に考えられていた世界の四つの大きな川を表しています。この四人の男性像がそれぞれの川を表しています。ヨーロッパを流れる「ドナウ川」、アジアを流れる「ガンジス川」、アフリカを流れる「ナイル川」、そして南米を流れる「ラプラタ川」です。高さ17メートル近いこの「アゴナリス・オベリスク」、エジプト製ではありません。オベリスクはこれまたローマ帝国のドミティアヌス帝が西暦 81年から 96年に作成を命じ、エジプトの上ナイル地域から赤色花崗岩を切り出して作られたものです。ナヴォーナ広場の東側の、今ではサンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ聖堂となっている場所にあったイシス神殿の近くに建てられました。

ベルニーニの彫刻はダイナミックで素晴らしいですが、高低差のある劇的な空間構成が何と言っても素敵です。今回のローマ滞在では「聖テレジアの法悦」などのベルニーニの傑作を見る事が出来なかったのが残念です。（注：ベルニーニの作品を多数持っている「ボルゲーゼ美術館」は大人気であり、1ヶ月以上前から予約をしないと見学出来ないことが多いようです）

ナヴォーナ広場にあるもう一つのベルニーニ作品、『ムーア人の噴水』です。

ベルニーニのデザインをアントニオ・マーリが彫ったもの（1654年）。ムーア人とは、北アフリカのベルベル人のことをさしています。

ムーア人といえは、私はベラスケスのこの傑作肖像画を真っ先に思い浮かべてしまいます（いつか見てみたい）。

右はイルカと戦うエチオピア人。

こちらも変顔選手権出場者？ローマの噴水は美しいですが、よく見りゃ変です！

長い一日、ピスタチオのジェラートを食べて一休み。ホテルに戻りました。