南海10000系電車

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在来の1000系電車に代わる南海線の特急用車両として、1985(昭和60)年に登場した。先に登場していた高野線の特急用車両である30000系電車の設計思想を引き継ぎつつ、ビジネス利用客の割合が高い南海線特急の性格を踏まえ、他車との併結運転が可能な編成・車体構造・機器構成としている。

即ち、2両編成で車体前面は貫通型とした上、走行機器類は片側4扉・ロングシート車の7000系・7100系電車と同等のものを採用した。これにより、一部指定席列車は当形式といわゆる通勤形の車体を持つ車両とを連結して運転するスタイルとなり、新たな特急列車像を示すものとして大きな注目を集めた。

全体を濃淡グリーン(ダークグリーンとオーシャングリーン)のツートーンカラーに塗装した車体は、デッキ付きの片側2扉として側窓は30000系同様の大型ガラスを使用し、車内設備も30000系に準じたものとした。

前面には天地方向を大きく取り、かつ側面へ回り込む曲面ガラスを用い、貫通路上部には方向幕を配置した他、前照灯と尾灯は左右の窓下に一体ケーシングしてまとめ、“四国号”に代わる新愛称“サザン号”のネーミングと相まって、従来の南海車両には無い斬新なイメージを作り上げている。

なお、地上処理設備や乗車時間を勘案した結果、トイレは非設置とされた。また、制御装置や主電動機等の主要な走行機器類については、先代特急用車両の1000系が、1973(昭和48)年の電車線電圧昇圧時の対応工事において新たに装備したものを譲り受ける形で装備している。

1992(平成4)年には、車体塗色をシルバーメタリック地にブルーとオレンジの帯を配した新塗色に変更。これと相前後して、指定席座席数の増強と接客サービスの向上を図るため、トイレやサービスコーナーを設置した中間車両を新規製造並びに既存車両の改造によって増備し、4両編成化されている。

#南海10000系 #サザン号

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    2020/05/14

    写真の塗色のころが好きでしたね。華美ではないが、野暮ったさを感じさせないのは、何でしょうかね。個人的には先頭の大型局面ガラスの優美さと、下枠交差パンタグラフの組み合わせが、ありそうでなく、とても好きですね。

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      Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)

      2020/05/14 - 編集済み

      コメントありがとうございます。前面に曲面ガラスを用いた車両はそれまでにもありましたが、これ程大型でしかもピラーレス、更にはサイドを斜めにカットしているという仕上げ方は本当に斬新でした。
      かつての南海カラーである濃い緑色は、見方によっては暗さを感じさせなくもありませんでしたが、ツートンカラーの相手を白ではなく同系統の淡い緑色としたことで落ち着いた鮮やかさが生まれ、これをシンプルな塗り分けに仕上げたことで上品な雰囲気が作られたように思います。

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