-
阪神5500系電車
今後の阪神車両の標準となるべく、コストの抑制と保守性の向上を図りつつ、走行機器類から車体外観、接客設備面に至るまで改良が加えられた普通用車両で、1995(平成7)年に登場した。 車体外部塗色の変更が外観上の最大の特徴となり、普通用車両における青色のツートーンカラーを継承しているものの、上部に水色(アレグロブルー)、下部に淡灰色(シルキーグレイ)という新たな配色を採用して、単なる新形式車両としてのアピールにとどまらず、阪神・淡路大震災からの本格的な復旧を訴えかけるものとした。 外部塗色以外にも、8000系電車を基本とした車体には前面窓周りや灯具設置部分の平滑化や床面高さの低下といった改良が加えられ、保守性向上の見地からステンレス製屋根板や固定式側窓(開閉可能な側窓も残存)の採用もなされた。 また、床面高さの低下と合わせて、客室内には非常通話装置やマップ式車内案内表示装置、扉開閉予告ブザーの設置等、接遇面での設備の充実が図られている。 搭載機器類の面ではやはり保守性・経済性向上の観点から、阪神では初となるVVVFインバータ制御方式・誘導電動機が採用されている。 そして、従来の普通用車両に比べて加速度・減速度の値を抑える一方、中高速度域での加速性能向上と加速度変化率(ジャーク)の調整によって、普通列車における運転時分の維持と乗り心地の改善を果たすものとなった。 2017(平成29)年にはバリアフリー設備の拡充を軸としたリニューアル工事を実施した“リノベーション車両”が、2020(令和2)年には2両編成化や野球に因んだ内外装への変更を施して武庫川線用とした車両がそれぞれ登場している。 #阪神5500系 #阪神電気鉄道
鉄道模型 GREENMAX 4両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
近鉄16200系電車“青の交響曲”
世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」への足となる他、数々の自然景観をはじめとした観光資源を沿線に持つ南大阪線・吉野線において、「上質な大人旅」をコンセプトとする特急用車両として、2016(平成28)年に登場した。 開発にあたっては、従来の特急用車両とは一線を画した観光特急とするという位置付けであることに加え、既存の一般型車両である6200系電車からの改造という方策を採ったこともあり、外観から内装まで非常にユニークな車両となっている。 車体は前面造形に改造元となった6200系の面影を残すものの、客用扉と側窓の配置や形態は内装に合わせて一新されており、塗色は濃紺をベースに金色の帯を配したものとして、公募をもとに命名された名称である「青の交響曲(シンフォニー)」に基づいた「Blue Symphony」のエンブレムを添えて、コンセプトに相応しい落ち着いた雰囲気が表現されている。 車内は、3両編成のうちの両先頭車両を座席スペース、中間車両をラウンジ車両としてある。このうち、座席スペースとなった両先頭車両では、2列+1列のシート配置としていずれも幅の広いデラックスシートとしている上、グループ旅行客に好適となるよう大型テーブルを挟む形でシートを対面配置させたサロン席(2列席側)とツイン席(1列席側)も備えられた。なお、大阪阿部野橋側の先頭車両にトイレが設置されている。 また、ラウンジ車両となった中間車両には、革張りのソファーや間接照明によって非日常感を追求したラウンジスペースと、南大阪線・吉野線沿線の特産品を使用した飲食物と観光情報を専属アテンダントが提供するバーカウンターを設置。併せて、沿線を題材とした書籍と車内の雰囲気にマッチしたベンチを備えたライブラリーが、吉野側の車端部に設けられている。 本形式は1編成のみの存在であるため、使用する列車と運転期日は予め定められた上で公表されており、車両の整備・検査の都合で本形式による列車を運行しない場合には、全く同じ時刻に通常の特急用車両による特急列車を“代走”させる運行方法もまたユニークなものとなっている。 #近畿日本鉄道 #青の交響曲 #近鉄16200系
鉄道模型 GREENMAX 3両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
近鉄3220系電車
21世紀の標準型通勤車両を目指し、高齢化社会への対応、環境負荷の低減、製造・保守時のコストダウン、運転・保守係員の作業性向上を図った「シリーズ21」の第1弾として、1999(平成11)年に登場した。なお、本形式は京都市営地下鉄烏丸線への直通運転用という主目的から、先頭部は非常口設置の非貫通形としている。 車体は近鉄でも長い導入実績のあるアルミニウム合金製だが、天井内装及び屋根構造の見直しによって製造作業時間の短縮が図られたものとなったほか、外部塗色も薄茶色(アースブラウン)と白(クリスタルホワイト)のツートンカラーをベースに、双方の塗り分け部分に黄色(サンフラワーイエロー)の帯を入れたものへと改められた。また、ホームとの段差低減のための床面高さ低下や、車両連結部への転落防止用外幌の設置もなされている。 車内設備としては、各車両への車椅子スペースの設置や、両肘掛け付きの席「らくらくシート」を備えたロングシート、寸法変更により上げ下ろしの便を高めた荷棚、異なる高さのものを混在させた吊り手、LED式車内表示装置の設置等の新機軸が多数盛り込まれている。 走行機器類についても性能と保守性の更なる向上を目指し、VVVFインバータ制御装置へのIGBT素子の採用をはじめ、構造変更によって軽量化させた主電動機、交流電動機を使用した電動空気圧縮機、鞍型構造の軸箱としたボルスタレス台車等が取り入れられている。 本形式の導入と相前後して、近鉄奈良発着となる京都市営地下鉄烏丸線との直通運転列車が設けられることになったことから、これをPRすべく京都と奈良をイメージしたペイントを施した車両も登場した。 #近畿日本鉄道 #シリーズ21 #近鉄3220系
鉄道模型 GREENMAX 12両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
東京メトロ10000系電車
当時建設中であった副都心線用の車両として2006(平成18)年に登場した。本形式の開発にあたっては、東西線用の05系電車のうち2004(平成16)年に増備されたグループを基本としているが、ATO・ホームドア・ワンマン運転を採用する副都心線への導入を踏まえた変化が見られる。 車体前面は、6000系電車以降の新形式車両において向かって左側へと寄せられていた貫通扉が、中央設置に改められたことにより、軌間内への非常用梯子の接地を可能とした。また、前面形状は縦曲線主体のものから更にラウンド感を強調させ、曲面的な構成となっている。 外観上のアクセントとなる帯は、副都心線と有楽町線双方のラインカラー(茶色とゴールド)に白を加えたスリートーンとし、側窓下部の他、前面窓下部から側面幕板上部へ流す形(最初期の車両以外では、前面窓下部のゴールド帯を省略)でも配している。 車内では、明るさと見通しの良さを追求すべく、車両間の貫通扉とその両脇部分に全面強化ガラスを採用した他、荷棚の荷受け部分にも強化ガラスを使用した。更に、蛍光灯や空調ダクトと共に一体化された天井中央部は、工法の簡素化と共に広く開放的な空間作りにも寄与している。また、客用扉鴨居部に設置する車内表示器は、15インチサイズの液晶式としている。 走行機器類については、概ね前に述べた05系電車の最新増備グループに倣っているが、空気圧縮機はスクロール式としたり、台車は軸重変動対策や横圧改善の観点からボルスタレス式を止める等、新たな試みが見られる。 なお、本形式は10両編成での運転を前提として設計・製作されているが、副都心線開業時の車両需給の関係上、最初期に登場した車両については8両編成での運転も可能な構造とされている。 #東京メトロ10000系
鉄道模型 GREENMAX 10両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
近鉄12200系電車“新スナックカー”
1969(昭和44)年に登場した特急用車両で、12000系電車“スナックカー”の改良型増備車両である。同形式と比較すると、軽食提供サービスを行うスナックコーナーの寸法が拡大され、これに伴って同コーナー部分への窓の設置や定員(座席数)の減少等の変化があった他、トイレ・洗面所の配置の見直しや車体側面への列車種別・行先表示器の新設、パンタグラフの増設等が行われた。 折しも当時の近鉄では、万国博覧会開催に合わせた旅客誘致の一環として、志摩線の軌間拡幅工事と鳥羽線・難波線の新線建設工事が進められ、特急列車網の拡充並びに特急車両の増強が求められており、スナックコーナーを持つ車両も一定数確保出来たとの判断もあって、本形式は登場したその年の内にスナックコーナーを持たない増備車両が現れることとなる。この増備車両には初期の車両に倣った2両編成の他、適宜中間車両を挿入した4両編成や6両編成も登場して、近鉄特急車両の標準型とも言える存在となった。 その後は、12000系や18400系電車で実施されたのと同様、スナックコーナーの撤去と座席の増設、前面造形の大幅な変更も盛り込んだ車体更新といった工事を重ね、一部の車両については15200系電車“あおぞらⅡ”や15400系電車“かぎろひ”等の団体専用車両へと転用改造されている。 #近畿日本鉄道 #スナックカー #近鉄12200系
鉄道模型 GREENMAX 16両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
京阪2400系電車
1969(昭和44)年に登場した車両で、車体外形や走行性能等は前に登場した2200系電車に準じているが、当初より冷房装置を搭載した点が大きな特徴であり、京阪のみならず関西における初の通勤冷房車となった。冷房方式はその後の京阪の標準とは異なる分散式であり、各車の屋根上に8台の冷房装置が搭載される様子は京阪の車両の中でも特異である。 2200系を基礎とした設計ながら、前照灯にシールドビームを採用したことで灯具枠が小型化され、前面の造形に差異が生じた。また、電車線電圧の昇圧とこれに伴う各種の改造工事を見据え、編成内の電動車を隣接して連結させて昇圧改造の合理化を目指したり、補助電源装置等の機器類にも昇圧対応設計品を採用したりといった工夫も見られる。 更に、小単位の編成を連結した組成ではなく、7両固定編成となったことも特筆される事項で、編成中間に乗務員室付車両を持たない本形式は収容力が大きく、冷房の装備と相まって特に朝間混雑時の輸送体質改善に大いに寄与するものとなった。 1988(昭和63)年から実施の車体改修工事では、車内のリニューアルと共に車外では前面に特に手が加えられ、新たに設置された行先・列車種別表示器を組み込む大型ガラス付の非常脱出用扉(旧貫通扉)によって、印象が大きく変化した。そして、この車体改修工事に併せて制御装置や制動装置も経済性の高い方式に変更し、編成全体での軽量化も実現されている。 #京阪電気鉄道 #京阪2400系
鉄道模型 GREENMAX 35両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
東急8090系電車
1980(昭和55)年に登場。形式にも表れている通り、走行性能面では8000系電車を継承したものであり、営団地下鉄半蔵門線との相互直通運転用に製作された8500系電車と共に、8000系グループの一員と言える。 8090系の大きな特徴はその車体である。東急傘下の鉄道車両メーカーであった東急車輛製造において、ステンレス製車体の更なる軽量化を目指すべく構造解析を行った結果、床面を境として屋根方向と床下方向にそれぞれ内側へ向かって傾斜する構造が採用され、車体構体で2t程の軽量化を達成。 また、外板には従来のコルゲーションに代わってビード付き平板を採用したことで、ステンレス製車体の外観も大きく向上させることとなり、その後のステンレス製車両はこの8090系で実用化された技術をもとに製作されるようになった。 製作技術面を離れたところでの車体の特徴としては、東横線での使用を考慮して前面を非貫通構造としたこと、列車種別・運行番号表示窓の大型化、前照灯と尾灯の角形化・一体ケーシング等が挙げられる他、前面に1本と側面に2本の赤色識別帯をいずれも窓下部に配して、従来は無塗装としていた(但し8500系では前面にのみ赤色識別帯を取り付け)ステンレス製車両のデザイン性を向上させている。 その後はみなとみらい線建設の具体化に伴い、貫通型前面を持つ先頭車両が必要となったことから、1988(昭和63)年にはこれを新規に製作。合わせて電動車比率の見直しを行って編成組み替えを実施し、前面貫通型の先頭車両を持つ東横線用の8両編成と、既存の非貫通構造の先頭車両を持つ大井町線用の5両編成にそれぞれ再編成された。これ以降、貫通型の先頭車両を持つグループを特に8590系と呼称することがある。 #東急8090系 #東京急行電鉄
鉄道模型 GREENMAX 8両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
南海10000系電車
在来の1000系電車に代わる南海線の特急用車両として、1985(昭和60)年に登場した。先に登場していた高野線の特急用車両である30000系電車の設計思想を引き継ぎつつ、ビジネス利用客の割合が高い南海線特急の性格を踏まえ、他車との併結運転が可能な編成・車体構造・機器構成としている。 即ち、2両編成で車体前面は貫通型とした上、走行機器類は片側4扉・ロングシート車の7000系・7100系電車と同等のものを採用した。これにより、一部指定席列車は当形式といわゆる通勤形の車体を持つ車両とを連結して運転するスタイルとなり、新たな特急列車像を示すものとして大きな注目を集めた。 全体を濃淡グリーン(ダークグリーンとオーシャングリーン)のツートーンカラーに塗装した車体は、デッキ付きの片側2扉として側窓は30000系同様の大型ガラスを使用し、車内設備も30000系に準じたものとした。 前面には天地方向を大きく取り、かつ側面へ回り込む曲面ガラスを用い、貫通路上部には方向幕を配置した他、前照灯と尾灯は左右の窓下に一体ケーシングしてまとめ、“四国号”に代わる新愛称“サザン号”のネーミングと相まって、従来の南海車両には無い斬新なイメージを作り上げている。 なお、地上処理設備や乗車時間を勘案した結果、トイレは非設置とされた。また、制御装置や主電動機等の主要な走行機器類については、先代特急用車両の1000系が、1973(昭和48)年の電車線電圧昇圧時の対応工事において新たに装備したものを譲り受ける形で装備している。 1992(平成4)年には、車体塗色をシルバーメタリック地にブルーとオレンジの帯を配した新塗色に変更。これと相前後して、指定席座席数の増強と接客サービスの向上を図るため、トイレやサービスコーナーを設置した中間車両を新規製造並びに既存車両の改造によって増備し、4両編成化されている。 #南海10000系 #サザン号
鉄道模型 GREENMAX 6両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
京阪6000系電車
京阪では1970(昭和45)年頃から、当時600Vであった京阪線の電車線(架線)電圧を1500Vに昇圧させるべく、車両についてはこれに対応する機器類を搭載する等の方策が講じられていた。しかし当時の600系・1300系・1700系の各電車については、車体や機器類の老朽化から改造工事の対象外として昇圧を期に廃車することとなり、その代替として製造され1983(昭和58)年に登場したのが6000系電車である。 車体は5000系電車に続いてアルミニウム合金製としたが、大型押出形材を用いて製作の合理化と外観の向上が図られ、中央貫通路を廃して非常扉設置の非貫通式とした前頭部や一枚下降式の側窓の採用により、京阪電車のイメージを大きく変えている。 #京阪電気鉄道 #京阪6000系
鉄道模型 GREENMAX 8両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
-
近鉄5200系電車
大阪線と名古屋線の急行列車の質的向上を図るため1988(昭和63)年に登場。同時期には団体輸送用の20100系電車の置換えが課題となっていたため、この代替として団体輸送にも用いられる事も意図して設計された。すなわち、扉(乗降口)は片側3ヶ所で座席は転換クロスシートとなり、これは一般車両の標準的な仕様である4扉・ロングシート、或いは従来急行用として製作された車両に採用されていた4扉・ボックス形クロスシートとは大きく異なっている。また、車内出入り台横の仕切りに折り畳み式補助席を内蔵したり、トイレを両先頭車に設置して編成中2ヵ所とした点は、団体輸送を考慮した設計に因るものである。 運転台部への曲面ガラスの採用や、大型窓を使用した貫通扉(前面・中間連結部共)、窓下辺を下げて扉間は5枚連続、車端部は大型1枚窓とした側窓等により、眺望性の向上を図っている他、車体塗色は一般車両のマルーン(マルーンレッド)と白(シルキーホワイト)のツートーンカラーを踏襲しつつも、前面貫通扉部分を白く塗り分け、他の形式との差異を強調するものとなっている。なお、このような開口部を大型化した設計のため、車体は強度維持の観点から普通鋼を用いて製作してある。 増備の過程で、補助電源に静止形インバータを採用した時に5209系、台車にボルスタレス台車を採用した時に5211系と細かく形式変更しているが、これらは広い意味で5200系のグループに入る。 #近畿日本鉄道 #近鉄5200系
鉄道模型 GREENMAX 4両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)