近鉄5200系電車

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大阪線と名古屋線の急行列車の質的向上を図るため1988(昭和63)年に登場。同時期には団体輸送用の20100系電車の置換えが課題となっていたため、この代替として団体輸送にも用いられる事も意図して設計された。すなわち、扉(乗降口)は片側3ヶ所で座席は転換クロスシートとなり、これは一般車両の標準的な仕様である4扉・ロングシート、或いは従来急行用として製作された車両に採用されていた4扉・ボックス形クロスシートとは大きく異なっている。また、車内出入り台横の仕切りに折り畳み式補助席を内蔵したり、トイレを両先頭車に設置して編成中2ヵ所とした点は、団体輸送を考慮した設計に因るものである。

運転台部への曲面ガラスの採用や、大型窓を使用した貫通扉(前面・中間連結部共)、窓下辺を下げて扉間は5枚連続、車端部は大型1枚窓とした側窓等により、眺望性の向上を図っている他、車体塗色は一般車両のマルーン(マルーンレッド)と白(シルキーホワイト)のツートーンカラーを踏襲しつつも、前面貫通扉部分を白く塗り分け、他の形式との差異を強調するものとなっている。なお、このような開口部を大型化した設計のため、車体は強度維持の観点から普通鋼を用いて製作してある。

増備の過程で、補助電源に静止形インバータを採用した時に5209系、台車にボルスタレス台車を採用した時に5211系と細かく形式変更しているが、これらは広い意味で5200系のグループに入る。

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