近鉄3220系電車

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21世紀の標準型通勤車両を目指し、高齢化社会への対応、環境負荷の低減、製造・保守時のコストダウン、運転・保守係員の作業性向上を図った「シリーズ21」の第1弾として、1999(平成11)年に登場した。なお、本形式は京都市営地下鉄烏丸線への直通運転用という主目的から、先頭部は非常口設置の非貫通形としている。

車体は近鉄でも長い導入実績のあるアルミニウム合金製だが、天井内装及び屋根構造の見直しによって製造作業時間の短縮が図られたものとなったほか、外部塗色も薄茶色(アースブラウン)と白(クリスタルホワイト)のツートンカラーをベースに、双方の塗り分け部分に黄色(サンフラワーイエロー)の帯を入れたものへと改められた。また、ホームとの段差低減のための床面高さ低下や、車両連結部への転落防止用外幌の設置もなされている。

車内設備としては、各車両への車椅子スペースの設置や、両肘掛け付きの席「らくらくシート」を備えたロングシート、寸法変更により上げ下ろしの便を高めた荷棚、異なる高さのものを混在させた吊り手、LED式車内表示装置の設置等の新機軸が多数盛り込まれている。

走行機器類についても性能と保守性の更なる向上を目指し、VVVFインバータ制御装置へのIGBT素子の採用をはじめ、構造変更によって軽量化させた主電動機、交流電動機を使用した電動空気圧縮機、鞍型構造の軸箱としたボルスタレス台車等が取り入れられている。

本形式の導入と相前後して、近鉄奈良発着となる京都市営地下鉄烏丸線との直通運転列車が設けられることになったことから、これをPRすべく京都と奈良をイメージしたペイントを施した車両も登場した。

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