近鉄16200系電車“青の交響曲”

0

世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」への足となる他、数々の自然景観をはじめとした観光資源を沿線に持つ南大阪線・吉野線において、「上質な大人旅」をコンセプトとする特急用車両として、2016(平成28)年に登場した。
開発にあたっては、従来の特急用車両とは一線を画した観光特急とするという位置付けであることに加え、既存の一般型車両である6200系電車からの改造という方策を採ったこともあり、外観から内装まで非常にユニークな車両となっている。

車体は前面造形に改造元となった6200系の面影を残すものの、客用扉と側窓の配置や形態は内装に合わせて一新されており、塗色は濃紺をベースに金色の帯を配したものとして、公募をもとに命名された名称である「青の交響曲(シンフォニー)」に基づいた「Blue Symphony」のエンブレムを添えて、コンセプトに相応しい落ち着いた雰囲気が表現されている。

車内は、3両編成のうちの両先頭車両を座席スペース、中間車両をラウンジ車両としてある。このうち、座席スペースとなった両先頭車両では、2列+1列のシート配置としていずれも幅の広いデラックスシートとしている上、グループ旅行客に好適となるよう大型テーブルを挟む形でシートを対面配置させたサロン席(2列席側)とツイン席(1列席側)も備えられた。なお、大阪阿部野橋側の先頭車両にトイレが設置されている。

また、ラウンジ車両となった中間車両には、革張りのソファーや間接照明によって非日常感を追求したラウンジスペースと、南大阪線・吉野線沿線の特産品を使用した飲食物と観光情報を専属アテンダントが提供するバーカウンターを設置。併せて、沿線を題材とした書籍と車内の雰囲気にマッチしたベンチを備えたライブラリーが、吉野側の車端部に設けられている。

本形式は1編成のみの存在であるため、使用する列車と運転期日は予め定められた上で公表されており、車両の整備・検査の都合で本形式による列車を運行しない場合には、全く同じ時刻に通常の特急用車両による特急列車を“代走”させる運行方法もまたユニークなものとなっている。

#近畿日本鉄道
#青の交響曲
#近鉄16200系

Default