鉱物標本 アマゾナイト(Amazonite)

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別名:天河石
産地:Brazil

長石グループの微斜長石と呼ばれる鉱物の変種。その空の様な青緑色は含有する一酸化鉛(PbO 1%前後)によるものとされているが、他にも鉄(Ⅱ)やルビジウム、タンタル等との複合的な影響についても報告されている。また熱に弱く、300℃を越えると失色する。

この鉱物自体は古代エジプトで既に宝飾品として用いられていた。アマゾナイトとしての名前はヨーロッパの宝石商がブラジルでこの石を入手した際にアマゾン川流域で採れた青い石と混同して売り出したことに由来し、1700年頃には"Pierre des Amazones"(アマゾンの石)という名で記録されている。その後アマゾン川流域にはアマゾナイトが産出しないことがわかったものの、1847年にドイツの鉱物学者Johann Friedrich August Breithauptにより"Amazonite"と正式に命名された。

因みにヨーロッパ人が初めてアマゾン川に到達したのは西暦1500年。その時はマーレ・ドゥルセという名が付けられた。現在のアマゾンという名前の正確な由来は良くわかっていないが、1542年アマゾン川流域を探検していたスペイン人達が地元の女性戦士に襲われたことから、ギリシャ神話の女性のみの狩猟部族であるアマゾネスを連想して"amazonas"の名前が付けられたという説が有力である。

本標本は2010年代に科博の売店で購入。

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