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Skullflower “IIIrd Gatekeeper”
私は何故か、Broken Flag関係のノイズ・ミュージックってリアルタイムでは聴いてこなかったんですよ。でも、まぁ、そろそろ聴いてみたいなと思って購入したのが、今回、ご紹介するSkullflower なんです。しかも、このバンド(?)、首謀者Matthew BowerがノイズGを弾きまくると言うノイズ・ロック的音楽をやり続けており、どうもそこら辺が、以前紹介したRamlehとの差異がありそうです。そして、今回、選んだ作品は、”IIIrd Gatekeeper”です。
先ずは、Skullflowerについて少しご紹介したいと思います。Skullflowerは、1987年に、即興ノイズ・ロック・バンドとして、Matthew Bowerを中心に、英国Londonで結成されています。そうして、彼等のデビューEP “Birthdeath”は、1988年にBroken Flagからリリースされています。以降、数十年に渡って、Matthew Bauer (G)はStuart Dennison (Drs)とのデュオで数多くの作品をリリースしております。それは、1996年のアルバム”This is….”をリリースして、一旦、バンドは活動休止するまで続きます。なお、バンドの基本的ラインナップは、先述のMatthew Bauer (G)に、Stuart Dennison (Drs, Vo)とStefan Jaworzyn (B)を加えた形態ですが、他には、RamlehのGary Mundy、Alex Bonnie (B), CoilのStephen Thrower (B, Drs)の他にもAnthony Di Franco (B, G, Drs)もヘルプで入っています。そうして、2003年に、再びSkullflowerは、新録アルバム”Exquisite Fucking Boredom”をリリースして、復活しますが、その後は時々、Matthew Bowerのソロとして、Samantha DaviesやCulverことLee Stokoeをヘルプを入れたりして、現役現在も活動しています。
以上が、Skullflowerの略歴になりますが、今回、ご紹介するアルバム”IIIrd Gatekeeper”は、彼等のサード・アルバムで、メンバーは、Matthew Bower (G), Anthony Di Franco (B), Stuart Dennison (Drs, Vo)の3人です。それで、私が購入したのは、2LPsとしての再発盤なので、B1-C1は、オリジナルのCDに入っておらず、これらの曲はボートラとなっています。また、この再発作品の中では、これらのボートラが入っているなはDirter Promotionsの再発盤のみです。それでは、本作品(A面4曲/B面3曲/C面3曲/D面2曲)の各曲について、ご紹介していきましょう。
◼️LP1
A1 “Can You Feel It”は、ドゥーム・メタルのように、スローでシンプルなリズム隊に、ダレきったような粘着質なGとギュルギュル弾きまくっているGが絡みつき、その合間に、極めて不明瞭なVoが時に入ると言う曲から成っています。
A2 “Black Rabbit”では、フィードバックGとBから始まり、Bはそのままリズムを刻み、更にDrsもビートを叩き始めます。Gは唸りながら強迫的ノイズを放射しています。
A3 “Larks Tongues”は、エコーGが延長する中、重たいリフのリズム隊が熱狂的Voと共に入ってきますが、所々でブレイクが入ります。
A4 “Center Puss”は、とんでもないエフェクトGに、やはり重めのリズム隊が底を支える曲で、時に呪文のようなVoも重なり、次第にテンポアップしていきます。
B1 “Stars And Bars”では、激的なBとしっかりしたDrsのリズム隊と荒れ狂う強靭なGが爆発しています。背後に持続シンセ音が聴こえ、時間感覚が麻痺してきます。
B2 “Wand”は、重めのリフとテンポのリズム隊が特に凄いです。勿論、Gも弾くまくって、グチャグチャに荒らしています。
B3 “Pelt”では、リズム隊が一定のパタンを演奏しており、そのバックで延長し切ったGがハウリながら強烈に主張しています。
◼️LP2
C1 “Evil Twin”は、フィードバックGと対照的に、疾走するDrsが叩き出されますが、途中、ダウンテンポしたりします。相変わらず、Gはあらゆる隙間を塗り潰しています。
C2 “Saturnalia”は、延長して伸び切ったフィードバックGの中で、漸くDrsが乱打され、スロー〜ミディアムなビートが、刻まれていきます。最後もフィードバックノイズだらけに!
C3 “Vanadis”では、杭を打つようなリズム隊が、フィードバックGによるノイズフィールドを容赦なく更なるノイズの杭を打ちつけます。
D1 “Godzilla”では、伸び切ったフィードバックGとこれまたサスティーンの効いたBで始まりますが、途中でDrs、特にキックか入ってきて、曲を支えています。Gはエフェクト掛けまくってますね。最後もかなり良い!
D2 “Spoiler” も、スローなスラッジ・コアなインスト曲で、これはロックなのか?ノイズなのか?混乱してしまいそうです。終わり方はまるでKhanatのよう。
全編、The Melvins のようなスラッジ・コア・バンドのアルバムを聴いているようです。もっとフリーにBとかDrsも弾くのかと思っていたら、意外にちゃんとしたリフやパタンを弾いており、バンドっぽいサウンドになっています。これではWhitehouseが当初、提唱した「ホワイト」な音楽とは言えないのでは?と思ってしまいます。しかしながら、ノイズの文脈ではなく、ロックの文脈で捉えれば、インストのドゥーム・メタルやスラッジ・コアとも捉えられるので、そう言う音楽が好きな方には受け入れ易いでしょう。そう言った心構えで聴くことをお勧めします!
https://youtu.be/5NDxtjMURy0?si=ohTGZ2rxst6iwfOy
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