Leonaspis haddanei

0

小さな母岩の上にこれまた二匹のレオナスピスが同居する面白い標本。個体の小ささから見るに両個体とも幼体と思われます

レオナスピスはトゲの多さからプレパレーションが難しい種であると個人的に感じ、その上幼体だから綺麗に削る難易度は更に跳ね上がる筈...しかしこの小ささながら成体の個体と何ら遜色のない。いやそれ以上の仕上がり。小さな三葉虫をこれ程までに綺麗に削り出す事が出来る人はとても限られており、その限られた人の中で特に有名な方が

三葉虫コレクターの中で知らぬものはいないであろうモロッコのプレパレーターハミー氏。そうこの標本はハミー氏が削り出したもの。岩に埋まった状態から映えを感じさせるまでにかかった、具体的な時間まではわかりませんが、一つの事に粘れる人じゃないと耐えられないくらい途方もない時間をかけたという事は、この標本を見て想像できます。こんな小さな個体を丁寧に丁寧に削るのはセンチではなくミリの世界。1mmではなく0.1mmの域。スマホの写真では見えないくらいの繊細な部分もしっかり削り出していて、更に三葉虫特有のブツブツまで残っている。最早標本というより一種の芸術作品。彼の技術がこの標本にこれでもかと詰め込まれています

しかしいつ見ても今にも動き出しそうなクォリティ。そしてスマホのカメラより肉眼の方がずっと高性能なこと。目は偉大です

Default