ベアモデル キララ スタンダードサイズ 平成物

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日本古来の昔話をストーリーの中に盛り込み、シリアスでハードなエピソードが多かった『ウルトラマンレオ』という番組にユーモアとファンタジーを取り入れることに成功した「日本名作民話シリーズ」(第26~32話)。
それはやはり“お伽話”的要素を積極的に取り入れていた前作『ウルトラマンタロウ』のいくつかのエピソード同様、旧来のウルトラファンからは何かと批判の多い作品群ではありましたが、ともすれば重苦しい展開になりがちだった『ウルトラマンレオ』という番組に陽性のムードをもたらし、結果的にシリーズをバラエティ豊かなものにしたという功績は否定出来ないと思います。(また、この「日本名作民話シリーズ」の中では、ウルトラマンキングの初登場(第26話)やモロボシ・ダンとアンヌの再会(第29話)、黒部進氏と桜井浩子氏のゲスト出演(第30話)など、ウルトラシリーズを語る上で重要なエピソードが多いのも見逃せないポイント)
その「日本名作民話シリーズ」を締めくくるエピソードとして、脚本・石堂淑朗氏、演出・中川信夫監督という豪華な組み合わせで制作されたのが第32話「日本名作民話シリーズ! さようならかぐや姫 竹取り物語より」です。
『ウルトラマンA』第28話「さようなら夕子よ、月の妹よ」(ルナチクス登場)、『ウルトラマンタロウ』第28話「怪獣エレキング満月に吼える!」(再生エレキング登場)、同第39話「ウルトラ父子餅つき大作戦!」(モチロン登場)など、第2期ウルトラシリーズで「月」に関係する話を多く書いている石堂氏ですが、本作では『A』 『タロウ』で描いてきた“月星人”南夕子の設定を一旦封印し、“かぐや姫”をモチーフにストーリーを構成。それを怪談映画の巨匠・中川監督が幻想的な映像で魅せることで、「日本名作民話シリーズ」を締めくくるに相応しいエピソードとなりました。
このエピソードで、月族の王女・弥生を迎えに来た使者として登場したのがキララです。
ペテロ・ルナチクス・モチロンといった、見るからに強烈なインパクトを放っていた歴代の月怪獣たちに比べると少々地味な印象があるのは否めませんが、全身に広がる月面クレーターを思わせる凹孔と月のように発光する円形の腹部など、月そのものをモチーフにしたデザインはなかなか秀逸。怒ると頭の凹孔から蒸気を噴き出したり、真ん丸目玉をくりくりと動かす演出も実にユニークでした。

そんなキララを平成19年(2007年)にレトロテイストでソフビ化したのがベアモデルです。
昭和怪獣ソフビのざらついた質感を表現することにかけては定評のあるベアモデルですが、ゴツゴツとした体表を持つキララはやはりこのメーカー向きの題材だったと見え、期待に違わぬソフビ怪獣に仕上がっています。
顔を上向き加減に、まるで口を尖らせている子供のような、善玉系怪獣らしい愛嬌ある表情。その一方で、月族の王女・弥生を連れ戻す為にはレオやMACとの戦闘をも厭わないキララの、内側に秘めた狂気みたいなものまで感じられる、造形の妙。ベアモデルはこの手の怪獣をやらせると本当に上手いな、と思います。それでいて、造形・彩色、どちらもやり過ぎることのない、一歩手前の「寸止め感」が絶妙で、これがレトロタイプソフビファンには何とも心地良いのです。

#ウルトラマンレオ #ベアモデル #円谷プロ #怪獣 #ソフビ

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