62 ヤンチュアノサウルス (YANGCHUANOSAURUS)

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ヤンチュアノサウルス (Yanchuanosaurus)

 獣脚類/テタヌラ類/アヴェテロボーダ類/シンラプトル科/体長:11m
 名前の意味:ヤンチュアン(中国の地名)のトカゲ/1億5,400万~1億4,400万年前(ジュラ紀後期)
 産出地:中国

 アジア産の大型獣脚類。シンラプトル科に属し、同じく大型の肉食恐竜であるアロサウルスに非常に近いとされている。アロサウルスの化石はアメリカやヨーロッパで数多く発見されているが、不思議なことにシンラプトル科の恐竜の化石は中国でしか発見されていない。頭が大きく、目の上側と前方には骨の瘤があり、鼻筋には二列の畝(うね)が走っていた。
アロサウルスにも共通したこの顔の特徴は、仲間へののシグナルとして使われたと思われている。現在は研究科学の進歩と化石検証への応用科学が発達し、頭骨の脳の構造は残らなくてもその容積や形状、脳幹からの神経の構造などが解明されてきており、嗅覚と視覚の神経系統についての発達がいろいろ確認されて生きている。形状の判断、さらには色彩による判別等、視覚的な発達、が解明されてきており、繁殖期になると、よく目立つ顔の飾りや色彩を顕示し、異性を誘ったり、群れの中での地位を誇示したり様々な識別信号の役割を果たしたとも考えられる。
どの色まで見分けられたか、彼らにとって目立つ色彩はどういうものか、雌雄どちらが目立ったか等、収斂進化による推定も可能である。現時点では一部の恐竜に限られるが、いずれもまだ確立されているわけではないが、復元画像は想像を羽搏かせ、それを超えていく。
また、上角骨(下あごの一部)の高さもヤンチュアノサウルスの特長とされる。アロサウルスを代表とする近縁種よりもその部分は低い。

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