58 トリケラトプス (TRICERATOPS) ”偉大な弱者”

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トリケラトプス (Trticeratops)

 鳥盤類/角竜類/カスモサウルス亜科/体長:9m/名前の意味:角が3本ある顔
 7,100万~6,500万年前/産出地:カナダ・アメリカ・メキシコ

 北アメリカ産最大の角竜類。カスモサウルス亜科の中では最も進化した恐竜であり、巨大な頭部を持っていた。3m近い長さの頭骨も知られている。他の角竜類に見られるような骨の開口部がなく、短くてがっしりした襟首は、求愛行動の道具だったと考えられている。アラスカから、メキシコまで広範囲で大量の化石が発見されており、トリケラトプスの種の数をめぐって議論が交わされている。トリケラトプス・ホリドゥス種一種のみとする意見もあれば、最大で3種とする意見もある。前足が横に張り出していたか真っすぐ下に伸びていたかという点も議論の対象となっているが、近年は研究により、前足は少し横に広がっていた程度であったようだ。トリケラトプスは一か所の植物を食べつくすと、新たな土地を目指して群れを成して北アメリカ大陸を縦横に移動していたと想像されている。多くの頭骨に残った傷跡から仲間同士の争いは日常的であったようだ。

防衛型の凶悪な武器を持っており、天敵であるティラノサウルスとの生存闘争もよく語られる。進化の頂点でぶつかり合ったと思われるが、同じく進化の頂点にあった獣脚類の王にはやはり分が悪かった。それでも、彼らには集団行動という武器があった。弱者ではあったが、弱者の中の王として昔から子供たちは僕を含めてそれに本能的に気がついていた。

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