Medther / The Complete Piano Sonatas & Forgotten MelodiesⅠ,Ⅱ

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ニコライ・メトネル:ピアノソナタ全曲 ピアノ曲集 忘れられたメロディⅠ,Ⅱ
 ピアニスト:Marc-André Hamelin マルカンドレ アムラン

20世紀初頭、ラフマニノフ、ボルトキエヴィチとともに活躍した作曲家であり、ピアニスト。作曲家としては多くの管弦楽曲室内楽も手掛けた前2者と異なり、ピアノ曲と若干の室内楽にとどまった作曲の守備範囲は自らの超絶的なピアニズムを発揮するための狭い作品群にとどまった。しかしピアニストとしての評価はラフマニノフをある意味凌駕する。剛直でマッシヴな音楽。ラフマニノフの歩く道を慎重によけながら、自らの音楽にラフマニノフにないものを残し、似ているものを削り取って確立した独創の音楽を形作っている。8歳年上のラフマニノフの親友であり、彼のピアノ協奏曲は1番、2番がラフマニノフにささげられている。”小さな手のラフマニノフ”と揶揄されるボルトキエヴィチの行く道と全く異なる別の道を選び、それゆえに今も、正当な一般的評価は低い。ただ、それは作品が劣っているのではない。近年見直されている彼のピアノ曲は、まず、表現者としては弾きこなせるかどうかというところからスタートしなければならず、聴く方は、全体を感覚的に感じにくい、つまり、その気になって聴かなければならない緊張と忍耐を強いる部分がある。

ピアニストはフランス系のカナダ人で。マルク―アンドレ アメリンと読みそうだけど、マルカンドレ アムランが正しいようだ。マルカートでストレートな音色を持ち、技術的難度を全く感じさせないレベルで曲に応じで弾き切っている。 

4枚組のCDであり、すべての曲はここで紹介できない。
3つのピアノ協奏曲とピアノ五重奏曲等は別に紹介していきたいが、主だったこのCDで聴ける作品についての詳細はLab『ひねくれものの音楽箱』で3人目の音楽家として取り上げます。

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