ゴールデンバットは敵性語

0

金鵄(きんし)というタバコはもともとがゴールデンバットとして、今でもおなじみの黄緑色のパッケージに金色のコウモリを描いた図柄で売られてました。
しかし昭和15年に敵性語を廃するということで、この金鵄という名前になったのだそうです。
改名されたのは11月からです。

箱の側面には定価が記されていますが、平時定価が8銭であるところ、戦時負擔(負担)額は15銭となっています。
8銭のタバコにさらに15銭上乗せしなければ買えないわけですから実質23銭ですね。

この負担額は最初のころはもう少し安く、1銭、2銭、7銭と推移していったそうで、15銭になったのは昭和18年の終わりごろで、戦局がヤバくなってきたことが負担額からもうかがえます。
最終的には昭和20年になると27銭プラスになったそうで、定価と合わせ35銭に上がっています。
ヤミ価格が幅を利かせていたので比較になりにくいですが、同じ年のコメ1升(1.5キロ)の値段は公定53銭でした(ヤミ価格は70円とのこと。銭ではなく円)。

ゴールデンバットという名称に戻ったのは昭和24年から。
10本入り15円でした。
値段が同じ15円だったのは、そば、うどん。

なお、戦時中のタバコパッケージは金鵄も鵬翼(ほうよく)も朝日も古物商に行けば今でも普通にゴロゴロ残ってるので、さしてレアではありません。

#タバコパッケージ
#戦中
#金鵄

Default