ほまれ・ 譽( 20本入)

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もとは、当時の清国へ向けての輸出品であり、5本入包装で清国の国花ボタンがあしらわれていました。

ゴールデンバット同様、かの地では人気が出ず国内用となり、その際に日露戦争(1904年)の戦勝を記念して交差した連隊旗と軍艦旗に意匠が改められました。「国民たばこ」と銘打った初の企画品で、20本入で5銭という低価格品のため、内包みを包む外包みについては、周囲を巻くように包装するだけで上下を閉じないという非常に簡素な包装が採用されました(のちに上下を閉じる一般的な包装になる)。

大正時代からは軍隊専用品となったが、嗜好品特有の中毒性が問題視された結果、ニコチンとタール量が抑えられることとなり、味気のないタバコとの評価もされました。「敵性語追放」によって「チェリー」や「ゴールデンバット」が改称されるのと前後して、品名も漢字一文字の「譽」と改められました。

☆清国の国花をボタンと定めたのは慈禧皇太后(いわゆる西太后,1835-1908)
☆初期の品名『保万礼』を揮毫したのは仁尾惟茂(当時の専売局長官,1853-1932)

1908年5月17日~ 5銭で発売開始
1916年5月10日~ 軍隊専用に変更
1918年3月30日~ 
・6銭へ価格改正、褐色印刷に変更【画像1】
1939年11月7日~ 
・7銭へ価格改正【画像2】
1940年11月2日~ 
・定価記載省略【画像3】
1940年頃 
・品名表記を変更、漢字で「譽」(岩城興一の揮毫)【画像4】
1944年以降
・用紙、印刷簡略化。細巻に変更。用紙幅ならびに表面意匠に若干の変更が加えられた。【画像5】
・包装形態を変更【画像6】

1945年8月15日廃止

☆大阪府堺市にあった「聯隊酒保」という飲食店のビラ。調べて見たが現存しないようである。【画像7】

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