ルネッサンスの傑作~サンタゴ・スティーノ教会

初版 2023/11/07 00:25

改訂 2024/09/01 00:48

サンルイジ・デイ・フランチェージ教会から歩いて1-2分ほどのところに、このサンタゴ・スティーノ教会があります。正式名称は「サンタゴスティーノ・イン・カンポ・マルツィオ聖堂」、これを略してサンタゴスティーノ聖堂なのですがやっぱり名前が長い❗

ファサードは、レオン・バッティスタ・アルベルティによって設計されましたが、アルベルティが先に設計したフィレンツェの「サンタ・マリア・ノヴェーラ聖堂」のファサードを模したと言われてます。建築家ヤコポ・ディ・クリストフォロ・ダ・ピエトラサンタの工事監督によって、1483年にファサードは完成しています。

天井も大変美しいです。サン・ルイジ・フランチェージ教会よりもすっきりした印象。

この教会にもまたカラヴァッジオの傑作祭壇画があります。

カヴァレッティ礼拝堂の祭壇画、カラヴァッジョ「ロレートの聖母」(1604-06頃)

ウィキペディアでは「夜の暗闇から現れたマリアはこの上なく整った容姿で描かれている」と書かれていますが、聖母としては少し高貴さが足りないような気がします。それにしても赤ん坊のイエスがデカイ。

泥の付いた農夫の足裏を描くなど、祭壇画としてはかなり型破りです。

ヤコポ・サンソヴィーノ作「妊娠帯の聖母」1516年

主祭壇です。

パイプオルガンの装飾も美しいです。薔薇窓のすぐ下にあるというのも珍しいです。

この教会にはもう一つの傑作があります。入口近くの柱の上に‥。

ラファエロ『預言者イザヤ』1512年。筋骨隆々とした姿ですが、やはりミケランジェロと比べると柔和な雰囲気が漂います。両側の天使も可愛いですね。この作品に関しては、依頼者が「過大請求された」と不平を言っているのを聞いたミケランジェロが、「膝だけでも要求された価格の価値がある」と答えたという逸話があります。

ラファエロはレオナルドやミケランジェロと比較すると、「幼い頃から抜群の才能を持っていた」訳ではないように思います。しかし、彼の最終的に到達した高み(上の「バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像」等)を考えると、いかに素晴らしい修練を積んだかが分かり心から尊敬します。

ラファエロの作ではありませんが、他にも聖人のフレスコ画があります。

ジャチント・ブランディ作「聖リータの光悦」1670年頃

大きな教会ではありませんが、非常に見所の多い魅力溢れる聖堂でした。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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