菊の宴~ 輪島塗 菊文様沈刻黒内朱塗吸物椀

初版 2022/12/27 14:18

改訂 2022/12/27 15:40

大正から昭和初期と思われる輪島の吸物椀です。八客揃いというのは珍しいと思います。

縦長のお椀はごく稀に日本料理のお店で遭遇することがあります。その際は上品な汁物(具はごく少量)であり、通常のお吸い物や味噌汁にはほとんど使われないと思います。むしろ向付のような使い方のほうが似つかわしいです。私もそのつもりで購入しました。

上から見ると菊の模様はほとんど分からず、花弁の中心の金色が目立ちます。

八客のうち二客のみ底に作者の名が彫られています。

内朱の状態も良好です。小さな擦り傷はありますが、湯焼けはありません。

ご覧のとおりの縦長の風貌。直径は8センチほどで汁物は僅かしか入らないサイズです。

縦比率を1/2にして画像を作ってみると、やっと普通のお椀のバランスになりました。

彫りが上手いかと言われると返答に窮します。けっして上手くないですね。

沈刻は「月峯」という方の作品のようですが、菊のレベルに比べて自分の雅号の彫りが上手すぎる気がします。

アップでみても美しさは感じられません(涙)。

拡大してみても「うーん・・・」という感じ。

わずかな擦れはありますが、概ね中の状態も良好です。

中央に境のある共箱で八客が入るようになっています。

残念ながら大向高洲堂さんは廃業してしまいました。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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