ビューティーペア~牡丹蝶紋 輪島沈金煮物椀 明治期

初版 2022/12/24 20:51

改訂 2023/05/17 04:51

明治期の製作と思われる煮物椀十客です。

蓋には牡丹の花。青漆で花の彫りを埋めています。

蓋裏には金の蝶が彫られています。

煮物椀らしい安定感のある器胎です。

身と蓋の模様は連続しています。

糸輪は浅めの作り。糸輪の中に彫を施すのは非常に難しい技術です。

蝶の輪郭に「ゆらぎ」のある見事な鑿捌き。こういう腕の良い彫りを「鑿が立つ」というそうです。

全体に木地は厚めでしっかりしています。吸物椀に比べると重量があります。

どの椀にも湯焼けはありません。ほとんど未使用です。一客だけ蓋に欠けがあったので、輪島の塗師屋さんに修理してもらいました。その際、このお椀が今輪島でどのくらいの価格かお聞きした処「一客6万から7万といったところだと思います」とのこと。今の私には全く購入できません。(購入価格は十客で5000円だったのです。)

共箱はとても粗末ですが、味のある古い箱です。箱より中身、いかにも輪島らしいですね。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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