指宿~皆既月食の夜

初版 2022/12/13 16:56

改訂 2023/12/26 23:13

11月8日、この日は皆既月食ですが、番所鼻から指宿市内に戻ります。
札幌の夜は雨の予報ですが、指宿は晴れの晩だそうです。

番所鼻からの開聞岳です。私の尊敬する伊能忠敬(中高年の希望です)も210年前にこの場所から同じ景色を見ていました。

番所鼻の「いせえび荘」をあとにして、車で大野岳に登りました。

大野岳は開聞岳を始め、東シナ海の海岸線、知覧方面、360°見渡すことができます。

大野岳「だんだん茶畑展望台」から見た開聞岳。美しいです。

左に見えるのが池田湖です。

南九州市は「知覧茶」で有名ですが、こちらは頴娃(えい)の茶畑。このあたりは日本で一二を争うお茶の名産地です。

南西を見ると東シナ海の海岸を一望できます。右奥が枕崎ですね。

薩南海岸県立自然公園の看板。砂浜はウミガメの産卵地になっているそうです。

大野岳の麓、思いがけず頴娃(えい)の町にコスモスの畑が広がっていました。

本日の宿に向かいますが、その途中池田湖越しに見る開聞岳。どこから見ても美しい山ですね。

池田湖の畔を登って、宿に着きました。部屋のテラスから遠くに指宿の街並みが見えています。

到着して一休みすると月が昇ってきました。まだ月食は見られません。夕食はフレンチと和食、どちらかのコースを選べるのですが、私達は和食派なので迷わず和食にしました。ここの和食はカウンターで目の前で調理してもらう「対面式」です。

「先付」 ●菊花二色 春菊 かきのき茸 シャインマスカット ●あん肝煮漬け 山葵 ●汲み上げ湯葉 生雲丹 生姜あん ●蒸し鮑 肝ぽん酢 ●稲穂 銀杏

「御椀」 指宿鰹節木枯れ節澄まし汁仕立て フカヒレ オオモンハタ 花びら茸 より葱 黄柚子

オオモンハタは脂がちょっと乗っています。オオモンハタは丸い紋が目立つので「大紋羽太」と書き、煮物、刺身で美味さが引き立つそうです。このオオモンハタも東シナ海で釣られたものとのこと。

御造りは大将が自ら眼の前で魚をさばいてくれます。

調味料は右から塩、土佐醤油(甘口、辛口)、ぽん酢の四種のあしらい一式。とにかく九州ではどこに行っても甘い醤油が出るのが驚きです。

「御造り」です。

左から 伊勢海老 ごまあら ちなみにこの伊勢海老は「いせえび荘」よりさらに新鮮で過去最高のお刺身でした。「ごまあら」はほぼオオモンハタと同じ魚のようです。脂が乗っているのに身が締まっています。脂がくどくないんですね。

秋太郎  アオリイカ ~ 秋太郎は「バショウカジキ」と言われる鹿児島の名産魚だそうですが、私は初めて食べました。軽くあぶっていますね。アオリイカはねっとりした肉質で甘みもあります。北海道ならヤリイカですが、こっちのイカの方が遥かに希少なのでしょう。山葵も擦りたてでピリッとした辛さが心地いいです。

これが「秋太郎」だそうです。

「黒豚と松茸 出汁しゃぶしゃぶ」~黒豚 松茸 九条葱 栗麩 紅葉人参 鹿児島の豚は甘味がありますね。

「炭火焼」

黒毛和牛フィレあん肝味噌 朴景盛り ~ 焼き栗 蕪 白舞茸 霜降り茸 蓮根 スナップエンドウ さつま芋 赤パプリカ 

「蓋物」 器は有田焼でしょうか。

蕪蒸し ~ 蕪蟹あん 紅葉鯛 里芋 栗 三つ葉 紅葉人参 山葵

「天麩羅揚げたて」 車えび  北海道では車えびはほとんど食べられません。

舞茸 薄手の衣でサッパリと揚げています。

水なす

四角豆 月日貝 ~ 月日貝の味はとてもホタテに似ており、私には区別がつきませんでした。

和食ではこちらを「お食事」と呼びますが、「これまで食べてきたのは何?」

ちりめんじゃこ山椒の炊き込みご飯 じゃこが歯ごたえがあってとても美味しいです。

「伊勢えび出汁味噌汁」~なめこ 薄揚げ 小葱   出汁も贅沢です。

「シェフのデザート」~頴娃茶羊羹     

お腹いっぱい ごちそうさまでした。

部屋のテラスに風呂が置かれているので、これを「露天風呂」と言っていいのでしょう。月食が始まっているので、指宿の夜景と皆既月食の両方を湯船の中から眺めることが出来ました。

月食の月が赤く見えます。

錦江湾の向こうの大隅半島から昇る朝日です。

宿のプールですが、まるで錦江湾に水面が続いているようです。さすがに11月ですから泳ぐことはできず、プールサイドで日向ぼっこです。

奥に見えるのが魚見岳です。私の休みはここで終わり。明日は札幌に帰りますが、家内はもう数日「日本のアンダルシア」薩南地方を歩くそうです。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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