2019/6/23 コルシカ島のナポレオン石

初版 2019/07/09 18:07

改訂 2022/09/07 12:44

公開日:2019/07/09

とある博物館の岩石展示スペースです。説明プレートの産地がフランスコルシカ島になっています。球状岩はナポレオンの生まれ故郷コルシカ島で採取されることから、corsiteと呼ばれています。日本では水石の世界でナポレオン石と呼んだ方が通りはいいです。この石、岩質から真名川の球状岩とそっくりです。というか同じです。販売業者がコルシカ島産とした結果でしょう。私自身もどう見てもペルー産の球状岩をコルシカ島産ナポレオン石と謳っている石があり、ちょっと高めのペルー産と思って購入しました。販売業者に問い合わせたところ、”信頼ある実績ある仲介業者からの仕入れのため産地は間違いない”との返答でした。

標本店には、オーストラリア産、フィンランド産とかあります。産出を記載する論文も沢山あります。コルシカ島産もネットで画像を確認できます。球状岩は産出が極稀で産地ごとに特徴に違いがあること、同じ産地でも露頭によって微妙に顔つきが違います。逆に、石を見ればどこの産地かがほぼ特定できます。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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