- Kinky Musik Museum
- 5F Underground music: other countries
- Esplendor Geométrico “40 Años Nos Iluminan”
Esplendor Geométrico “40 Años Nos Iluminan”
いつもお世話になっているSuezan Studioの小柳カヲルさんの個人輸入から、またまた買いました。そうです。EGことEsplendor Geométricoの40周年記念特別盤2枚組セルフ・コンピ・アルバム”40 Años Nos Iluminan“(このタイトルを直訳すると「40年間が我々を輝かせる」となります)をご紹介します。EGのバイオグラフィーについては、以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回は、メンツがArturo LanzとSaverio Evangelistaのデュオになってからの曲をコンパイルしたものとなっています。しかしながら、ほぼリズムマシンだけで、40年以上もやってきたEGは凄いと思いますし、やり続けることの大切さを体現してきたバンドだと思います。そして、そのスタイルは、世の流行り廃りに関係無く、独自にやり続けてきたことも重要ですね。本作品は収録曲の殆どは、Arturo LanzとSaverio Evangelistaによって2020年に作られていますが、A2, C3は古い音源で、更にB1はMost Significant Beatによって、B4はMauricio Martinucci-Plasmaによって、C1はAtom TMによって改変されています。本作品は、各面4曲ずつ収録されていますが、各曲について紹介していきたいと思います。
◼️LP1
★A1 “Syncro”は、重くスローなリズムマシンのビートの執拗な反復に、アジるようなスペイン語Voが挿入される曲で、このパタンは初期の曲には見られなかったですね。シンセによる電子音も最小限です。
★A2 “Mechanical IV”も、重いリズムマシンの複雑な反復ビートに、ラジオ音やモールス信号が挿入される曲です。催眠ビート!
★A3 “La La 2020”は、リズムマシンとMIDIで同期させたシンセによるリズミックな電子音から成る曲で、時々、電ノコらしきノイズや人声等のサンプリングが挿入されます。
★A4 “Brain Fungus”は、ディレイを掛けたリズムマシンの不明瞭なリズムに、シンカッションとか電子音を挿入した曲で、不安感を炙り出します。
★B1 “Ferro”は、リズムマシンの反復に、ホワイトノイズのスネアと持続音から成る曲で、珍しく、同期したシーケンスにメロディらしさを感じます。
★B2 “Il Resto Indietro”は、強力な突進力のリズムマシンの反復ビートに、歌声テープ音やノイズが花を添えている曲で、やや初期の音に近い印象です。
★B3 “Buenos Días”では、宇宙的な感じさえするリズムマシン音をバックに、淡々としたVoやノイズ音も重なり、Jean Tinguelyの機械音楽を想起します。
★B4 “City Of Heroes”は、初期の曲の様でシンセにぶっ込んだリズムマシンに、アジテーション・テープ音やシンセ音が挿入される曲で、「駆動力」そのものです。
◼️LP2
★C1 “Estás Solo”も、反復するリズムマシンのヒプノティックなビートが続く中、スペイン語の語り調Voが淡々と挿入される曲で、恐らく初期に近いかな?
★C2 “Tareas”は、リズムマシンの民俗的パタンのビートに、人のコーラスみたいな音や動物の鳴き声みたいな音が時々挿入される曲で、怪しさ満点!
★C3 “Mechanical I”では、ロートルな機械の動くカタカタとした音をリズムマシンとシーケンスで作り出しており、シンセ音やアジる声も挿入される催眠ビート!
★C4 “Mockba”は、怪しげな雰囲気のリズムマシンの反復ビートとスピーク&スペルの様な声やアジるテープ音楽も加わり、背景にシンセの分厚い壁がある曲で、EGにしては珍しい。
★D1 “40 Anni Di Luce”は、シンセにぶち込んだリズムマシンによる腐食ビートに、念仏の様な声のテープ音が重なる曲で、初期のEGを想起します。
★D2 “Freetime”は、ゴロゴロとしたパタンのリズムマシンに、メタパーらしき音とか電ノコっぽい音等が加わる曲で、やはり催眠的です。
★D3 “Potentissima”は、これまたモロTinguely的なロートルな機械を模したリズムマシンの反復駆動音から成る曲で、正に「インダストリアル」です!グレート!
★D4 “Vuelve A Jugar”は、トライバルなリズムマシンのビートと、背景に幼稚園の音と抑揚の無いVoから成る曲で、如何にもEGらしいです。
総じて、音質は格段に良く、音の広がりも充分に感じられて、洗練されていますが、曲としては、初期の後期〜中期前半辺りで、リズムマシンは確実に高級なものを使っていますね。そして、我が道を行くEGは、40年の間に、独自のトライバルなパタンやJean Tinguelyの動く彫刻の音のようなパタンを作り出し、独自の進化を遂げているのが、良く分かります。これにはノックアウトされました❗️皆さん、「EGなんて、テクノイズでしょ?」とか「金太郎飴みたいなもんでしょ?」とか言ってないで、このアルバムだけでも聴いてみて下さい。それ位の価値のある作品だと思います。マストです❗️
クレジット曲順
A1 “Syncro”
A2 “Mechanical IV”
A3 “La La 2020”
A4 “Brain Fungus”
B1 “Ferro”
B2 “Il Resto Indietro”
B3 “Buenos Días”
B4 “City Of Heroes”
C1 “Estás Solo”
C2 “Tareas”
C3 “Mechanical I”
C4 “Mockba”
D1 “40 Anni Di Luce”
D2 “Freetime”
D3 “Potentissima”
D4 “Vuelve A Jugar”
https://youtu.be/Ut37DAHckcc?si=RX_HGC20bDi1JFJ3
#EsplendorGeométrico #40AñosNosIluminan #Geometrik #SelfCompilation #2LPsAlbum #Industrial #Technoise #Hypnotic #JeanTinguely #SpecialEdition #RhythmMachine #Sampler #TapeManipulation #ArturoLanz #SaverioEvangelista