V. A. “L’Embrasse (Amsterdam Arcane Tape Recordings 1987)”

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一見、パッとしないジャケですが、中々、凝っているのですよ。と言う訳で、今回は、1987年に蘭Top Tapeからリリースされたコンピ”L’Embrasse”から選り抜きのチューンばかりを集めて、ミニLPの形態で、西Domesticaより、Ex Machine シリーズ第3弾としてリリースされた物件を紹介します。なお、ジャケがハンドメイドなので、200枚限定です! オリジナルはカセット作品として、合計15曲が選出されていますが、恐らく、それらは蘭のグループ/アーティストの曲だと思います。今回は、その中から7曲(A面4曲/B面3曲)が選ばれており、Ruud Lekxによってマスタリングされています。また、フォーマットは、12㌅で、45回転となっています。その前に、Ex Machinaシリーズについて、ちょっとだけ。このシリーズは、1980年代中期ー1990年代初頭にデモや未発表曲が面白そうなモノで、カセットだけでしか流通していなかったモノを、Domesticaが選んで、12㌅EPやミニLPとしてリリースすると言う企画ものです。それでは、各収録曲について紹介していきます。
A1 Beatnik Love Affair “Somewhere Out There”は、Lex Grauwen (Instruments, Vo), Ruud Braumuller (Instruments, Vo), Jeroen Minnema, (Instruments, Vo)から成るトリオで、単独作品は無くて、当時から多数のコンピに収録されていたりします。この曲は、タイトなドラムマシンとストレートなシーケンスと2人のヴォーカルから成っており、ダルなヴォーカル・スタイルが何とも言えない味を出しています。
A2 Peter Van Garderen “Plants and Animals”は、1980年にAmsterdamで結成されたバンドNine Circlesの元メンバーだった人物です。この曲は、トイ・シーケンスにBOSS DR-55らしきチープなリズムボックスから成るリズムに、伸びやかなシンセのメロディが心地良いインスト曲です。終わり方がグーっときます。
A3 Beatnik Love Affair “Bow Wow”は、サンプラーらしき掛け声とタイトで重めのリズムが中心で、それにメロディアスなシンセが絡む小曲です。
A4 Peter Van Garderen “Mystery Hall”は、何とDR-55のリズムボックスのビートの上に、ラップがふんだんに乗っかっています!時代ですねー。勿論、シンセも使われていますよ。
B1 Incredible Coöp “Flowers”は、全く謎ですが、Anneke StempherとJos Jakのデュオだと思われ、2人は後にS.M. Nurseを結成していますが、Incredible CoöpとしてもTop Tapeでカセット作品を1作のみリリースしています。ドコドコしたドラムマシンと少しコミカルなシーケンスに、可愛いらしい女性ヴォーカルが絡む曲です。因みに、ヴォーカルはメロディアスで、曲はミニマルです。
B2 Menko “She's Called Bill”は、本名Menko Koningsと言う女性ミュージシャンみたいで、eM名義で、Top TapeからカセットやCDを数作をリリースしており、また、No Honey From TheseやPlastic Cocon或いはS.M. Nurse (先述のAnneke StempherとJos JakとKoningsのトリオ)のメンバーとしても活動していました。いきなり映画からのテープ音から始まり、かなり重くてタイトなドラムマシンのビートとぶっといベースラインに、ディレイ処理された男女のヴォーカルが、少し、シアトリカル或いはラップ調に乗ってきます。
B3 Tranquil Eyes “Forever”は、Lex Grauwen (Electronics, Instruments, Vo)とPaul Oosterbaan (Instruments, Vo)のデュオで、Grauwenは先述のBeatnik Love Affairのメンバーでもありました。この曲は、ややアップテンポな打ち込みドラムマシンのビートに、ギターのカッティングによるリズムと、男性ヴォーカルが歌い上げています。一番、万人受けしそうなポップスになっています。
私は、ここに収められているグループも音楽も全然知らなかったのですが、1987年と言う時代を考えると、丁度、インディーズも落ち着いてきて、一方で、ヒップホップのような音楽も台頭してきたことを考えると、成程!と唸ってしまいました。丁度、電子音楽とダンスミュージックの架け橋になっていたのではないでしょうか?そんな時代の逆目で、蘭の地下音楽が盛んになっていた記録としても重要な作品だと思いました。なので、そこら辺に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい❗️面白いと思えますよ❗️

A1 Beatnik Love Affair “Somewhere Out There”
https://youtu.be/mQILuG3e2E8

A2 Peter Van Garderen “Plants and Animals”
https://youtu.be/iJEOeDRD0-k

A3 Beatnik Love Affair “Bow Wow”
https://youtu.be/Z3qHvfobqIA

A4 Peter Van Garderen “Mystery Hall”
https://youtu.be/-nD2Vy3gnTA

B1 Incredible Coöp “Flowers”
https://youtu.be/hV6mIGXFZfA

B2 Menko “She's Called Bill”
https://youtu.be/5CRnrnbuEj8

B3 Tranquil Eyes “Forever”
https://youtu.be/_JoWZd3TcjU

[オリジナルのコンピ(Top Tape)]
https://youtu.be/fa4ynJTo0xU

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://toptape1.bandcamp.com/album/lembrasse

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