ファドの女王 アマリア・ロドリゲス 『コン・ケ・ヴォス』

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「アマリアの歌うファドは、全人類の存在の悲しみを表現していた」と語ったのはトーキング・ヘッズのディヴィッド・バーン。ポルトガルのファドは「宿命」という意味を持つそうですが、やはりその第一人者としてロドリゲスの存在は圧倒的でしょう。1974年の名盤と、60年代に発売されたコンパクト盤、そしてドキュメンタリーのDVDです。代表曲のひとつ、「暗いはしけ」などは、遠い海へ旅に出た私の恋人を、海辺にたたずみ待ち続けている女の哀しさを描いていますが、わが国の女たちもまた、もしやもしやと岸壁で息子を待ったものですな。待っている女の哀しさは歌のテーマとして普遍的なのかもしれません。歌唱力に関しては今さら何も言葉はありませんが、言語を超えた「歌心」の凄み、素晴らしさを改めて痛感させられる名作です。#ファド #amalia rodrigues

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