- SHM Museum
- 3F ベリル
- ビクスバイト(無処理)0.170ct
ビクスバイト(無処理)0.170ct
鉱物種のひとつであるベリルにおいて、エメラルドとビクスバイトは宝石の使用に供されるためほぼ例外なく含浸処理がなされます。鑑別書には"透明材による含浸処理がされています''、とコメントが入るか、通常検査ではわからない場合、"通常、含浸処理がされています"とコメントされます。
このようなコメントは、ターコイズやジェダイトにも記載されますが、含浸処理されることが当然であるエメラルドとビクスバイトにももちろん記載されます。
ビクスバイトはユタ州のワーワー山地でしか採れない稀少な赤いベリルです。ただ、鉱山は既に閉山しておりカットルースは還流品か、昔に採った原石をカットしたものだけになります。
含浸されていない無処理のエメラルドは真偽は定かでありませんが、10万石にひとつとまでいわれます。非加熱のコランダムが100石中ひとつかふたつであると言われるため、無処理のエメラルドは無処理のルビーやサファイアよりも遥かに稀少です。
そのエメラルドより更に稀少で、しかも含浸されていないレッドベリル、ビクスバイトの稀少性は、私見ですが、マスグラバイトを上回る、まさしく世界一稀少性の高い宝石と認識しています。
当該石は、ルーペで若干のインクルージョンは確認できるものの、見た目を損なうものではなく、クラックやその他の瑕疵はありません。
ヤフオクで、鑑別書も付いていなかったので半信半疑でしたが、日独宝石研究所の偉い方からの連絡を聞き、驚愕しました。
ところで、原石派の方には知られているようですが、ビクスバイトの主要鉱山名は、カットストーン派の方は多分知られていないでしょう。以下の通りです。
鉱物名:ベリル
宝石名:レッドベリル(ビクスバイト)(無処理)
組成:Be3Al2Si6O18
重量:0.170ct
産地:Ruby Violet claims (Violet claims; Violet Mine; Red Emerald Mine; Harris Mine), Beaver Co., Utah, USA
鑑別:日独宝石研究所