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クリソベリル(バナジウムクリソベリル)1.175ct
実家に眠っていた、タンザニア産のバナジウムクリソベリルです。黄色味がほぼない標準的な色ですが、内包物も少なくカットは整っていると思います。 鉱物名:クリソベリル 宝石名:バナジウムクリソベリル 組成:BeAl2O4 重量:1.175ct 産地:Tunduru, Tunduru District, Ruvuma Region, Tanzania 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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ピンクダイヤモンド(fvp or fvpp, VS2, 0.07ct)
ダイヤモンドは、他の色石、ルビーやサファイア、エメラルドのような貴石と異なり、グレーディングが存在します。 例えば、ダイヤモンドを中央宝石研究所等、鑑別機関に持っていきますと、「鑑定書」を作成してもらえます。しかし、他の色石を持っていきますと、「鑑別書」を作成してもらえます。 鑑定と鑑別の違いはなにか。 SNSでは、愛好家の方に多いのですが、あるいは業者でさえも(滅多にいませんが…)、鑑定と鑑別をごっちゃにして誤用しているケースをよく見かけます。 鑑定は、「評価」です。 鑑別は、「識別」です。 意味は全く違います。 鑑定ができる宝石はダイヤモンドのみです。ダイヤモンドに関しては、GIAがダイヤモンドグレーディングシステムを整備、運用しており、国内のAGL所属団体は、このGIAグレーディングシステムに準拠して鑑定がなされます。 GIAグレーディングシステムにおいて、ダイヤモンドは4C(Colour(D〜Z)、Carat(ct)、Clarity(FL〜I3)、Cut(Excellent〜Poor)(順番適当です💧))で等級付けされます。この等級付けを目的として作成されるレポートを「鑑定書」と呼びます。 他の色石は「この石の鉱物名は◯◯で、宝石名は◯◯、重量は◯ctで、硬度は◯、比重は◯の重液に沈み〜、…」と記載されます。石種を特定する目的で作成されるこのレポートを「鑑別書」と呼びます。 GIAグレーディングシステムは、無色のダイヤモンド以外にカラーダイヤも厳格に規定しています。4Cにおいて、Colour以外は無色のダイヤモンドと同じ指標でグレーディングされますが、カラーグレーディングは、そのダイヤモンドが属する色帯はどこかを、マスターストーンと比較し決定する作業です。 カラーチャートとして、円形の、Red〜Purple〜Violet〜Blue〜Green〜Yellow〜Orange〜Redの色相環をよく見かけますが、実際には円形ではありません。 球状です。 縦がTone(球体の上ほどlighter、下ほどdarker)、横がSaturation(外側ほどstronger)。 以下のURLのカラーチャートを参照してください。英字ですが、カラーチャートの下に記載されている球体の図がわかりやすいです。 https://www.gia.edu/doc/ColDiaChartBklt.pdf カラーダイヤのカラーグレーディングは、対象のカラーダイヤの色が、球体のどの位置に属するかを決定する作業です。 本当はカラーグレーディングのプロセスとか書きたいのですが、既に脱線しまくりですので、ここまでにしておきます。 さて、この石は、国内のカラーダイヤのグレーディングに定評のあるAGTジェムラボラトリー及び中央宝石研究所のダブルソーティングをとりました。答えが知りたい場合はGIAに出せばいいのですが、GIAにカラーダイヤのグレーディングを依頼する場合は米国に発送されるので、私には敷居が高いです。 グレードは以下の通りです。 AGT:0.074ct, Fancy Vivid Purplish Pink, VS2 CGL:0.073ct, Fancy Vivid Pink, VS2 カラーダイヤはカラーが最も重視され、クラリティグレードは見た目を損なわない限り二の次ですが、VS以上だと輝きは抜群です。
宝石 ネットオークション 2019年shm
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緑柱石(ver.エメラルド)(ノルウェー産)
レア産地の緑柱石。結晶は小さくカットできるほどの大きさは採れません。 この標本は、セラーが現地で落ちていたものを拾って持ち帰ったものなので、産地は確かです。(湖の側と聞きました) 鉱物名:ベリル(ver.エメラルド) 和名:緑柱石 産地:ノルウェー、Byrud gård
鉱物 神戸市中央区 2019年shm
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アレキサンドライト(ロシア産)0.212ct
発見は1830年、ロシア帝国はウラル地方、スヴェルドロフスク州エカテリンブルクから北東約90km、トコワヤ川流域のエメラルド鉱山にて。 その石は昼はグリーンですが、夜はレッドに変色し、時のロシア帝国皇太子アレキサンダーⅡ世の名からアレキサンドライトと命名されます。 その後、スリランカ、インド、ブラジル、マダガスカル、タンザニア、ジンバブエなどでも産出し、世界五大宝石のひとつに数えられるようになりましたが、宝石になるレベルの原石の産出は極めて少ないレアストーンのひとつです。 ロシア産アレキサンドライトは緑から赤へのカラーチェンジが抜群で、発見から200年経とうとしている今でも世界最高の評価を受けます。しかし、20世紀初めには産出が途絶えたため、これに比肩するアレキサンドライトが出回るのは、1987年、ブラジルのミナスジェライス州アントーニオ・ジアス、ヘマチタでの発見を待たねばなりませんでした。 しかし、ヘマチタのアレキサンドライトも、採掘期間が3〜4ヶ月で産出が止まっているようで、宝石市場でみるものは"幻のヘマチタ産"とまでいわれます。 ヘマチタ産でなくても、ブラジル産のアレキサンドライトは平均してクオリティが高いものが多く、最高品質のものはブルーイッシュグリーンからパープルにはっきり変色します。 なお、ヘマチタ産のアレキサンドライトは、難しいですが探してみれば見つけることは可能です。国内の比較的大きなミネラルショーでも価格に糸目をつけなければ取り扱うセラーを見つけることはさほど難しくはありません。また、ネットショップなどでも"alexandrite hematita"と検索すれば、何点かヒットします。そして、かなりの品質のものでもそれほど大きくなければ、高額ではありますがまだ現実的に購入可能な価格です。 ロシア産は全くありません。 宝石のバイヤーが、一生に一度見ることが叶うかどうか、というレベルの希少性です。試しにネットで"alexandrite russian"と検索してみても、ロシア産と確信を持てるアレキサンドライトはありません。ebayでヒットするものも、産地同定がされた鑑別書がついたものがないため、本物のロシア産アレキサンドライトか疑わしいものばかりです。 私も海外のコレクターにも話を聞きつつ、注意深く探していたのですが、持っているコレクターはおらず、この石を入手するまでの3年3ヶ月の収集歴で、直接見かけたのは1度のみでした。 もしあったとしても、同サイズ同品質のヘマチタ産より価格は10倍程度となります。 また、聞くところによればロシア産はインクルージョンが多い裸石ばかりだそうです。たしかにebayなどの海外オークションで、"ロシア産"と書いてあるアレキサンドライトはインクルージョンが多いものばかりですが、確かなことは分かりません(それらの石には産地同定鑑別がございませんでした。)。 アレキサンドライトの産地同定は、国内では唯一日独宝石研究所が可能です。既に解散した全国宝石学協会は可能だったかもしれませんが、ジェムリサーチジャパン、中央宝石研究所も無理だと思います。ただ、海外ではGRS、ギュベリンはもちろん可能です。2019年からはGIAでも可能になりました。 しかし、産地を鑑別書に記載することで、ものによっては色石の価値をかなり引き上げることになるため、日独宝石研究所は、「バターリャ産パライバトルマリン(バターリャ産とは記載不可ですがパレーリャス産との区別はつきます。)」、「ジャンムー・カシミール産サファイア」、「ロシア産アレキサンドライト」については審査が特に厳しい印象です。 その日独宝石研究所の審査をクリアしたということは、日独宝石研究所のサンプルストーンの成分と一致した、ということなので、当該石はまごうことなきロシアンアレキサンドライトの最高品質です。 ブルーグリーンからパープリッシュレッドへの抜群のカラーチェンジにロシア産の中でも滅多に見られないルーペクリーン。日独宝石研究所の鑑別書には液体インクルージョンのみの記載。 今回はあえて英字鑑別をとりました。価値が世界で広く認められる石です。折角だし、という感じで取りました。 価値あるロシア産アレキサンドライト。色石の中で、入手難易度はジャンムー・カシミール産サファイア、パライバトルマリンエイトリータに並ぶか、それ以上。色石の頂点に立つ石のひとつであることは間違いありません。 鉱物名:クリソベリル 宝石名:アレキサンドライト 組成:BeAl2O4 重量:0.212ct 産地:Krupskoye deposit (Lyublinskoye; Tokovoi priisk), Izumrudnye Kopi area, Malyshevo, Sverdlovsk Oblast, Russia 鑑別:日独宝石研究所
宝石 京都市左京区 2019年shm
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フローアパタイト0.443ct
この色は天然なんでしょうか。 ブルーのアパタイトは通常加熱されてあの鮮やかな青色を示しますが、当該石の加熱の有無にしてはわかりませんでした。 鑑別を出しましたが、確認を失念していました。しかし、鑑別書には加熱のコメントがありません。ブルーアパタイトに加熱にかかるコメントを書くルールがなければそれまでですが、もし書かなければならないなら、書いていないため非加熱ということになります。 私も加熱されたものと認識して入手しています。この色、この大きさ、パライバトルマリンであれば一体幾らになるでしょうか。 鉱物名:フローアパタイト 宝石名:アパタイト 組成:Ca5(PO4)3F 重量:0.443ct 産地:不明 鑑別:日独宝石研究所
宝石 神戸市中央区 2019年shm
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ウィレマイト(ツメブ鉱山産)0.160ct
ツメブ鉱山産のウィレマイト、色はグリーニッシュブルーという感じでしょうか。 小さいものしか見かけることがないこの石、クオリティは悪くないですが、おそらくこれ以上の大きさは望めないでしょう。 なお、長波紫外線で蛍光はしません。 鉱物名:ウィレマイト 宝石名:ウィレマイト 組成:ZnSiO4 重量:0.160ct 産地:Tumeb Mine, Tumeb, Oshikoto, Namibia 鑑別:日独宝石研究所
宝石 大阪市中央区 2019年shm
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スキャポライト(強蛍光)0.352ct
蛍光スキャポライト。マリアライト寄りかメイオナイト寄りか、おそらくはマリアライト寄りかなと思いますが、日独宝石研究所にはどちら寄りか、確認していません。 長波紫外線でかなりの強烈な蛍光を示します。一部のアフガニスタン産のスキャポライトの特長でしょうか。 鉱物名:スキャポライト 宝石名:スキャポライト 組成:NaAl3Si9O24Cl(20-60%)+Ca4Al6Si6O24(Ca3, SO4)(40-80%) 重量:0.352ct 産地:Afghanistan 鑑別:日独宝石研究所
宝石 京都市左京区 2019年shm
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ボーウェナイト1.081ct
台湾産の鮮やかなイエローのサーペンティンはボーウェナイトと呼ばれます。サーペンティンといえばグレーがかったグリーンのものが多いですが、イエローのものもあり、しかし透明度はそれほど高いものはありません。 アクセサリーのビーズとしてたまにあるらしいですが、あまり透明なものはなく、当該石のような裸石は珍しいようです。 鉱物名:サーペンティン(ボーウェナイト) 宝石名:サーペンティン 組成:(Mg,Fe,Ni)3Si2O5(OH)4 重量:1.081ct 産地:Taiwan 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットショップ 2019年shm
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クロムマリガーネット0.218ct
ガーネット族ウグランダイト系のグロッシュラーとアンドラダイトの中間タイプ、マリ共和国で採取される、マリガーネットになります。 マリガーネットの色は、ブラウンからイエロー、グリーンイエローまでが普通に見られますが、当該石はクロムを多分に含むことにより、ツァボライトに近い鮮やかなグリーンとなっています。 鉱物名:ガーネット 宝石名:マリガーネット(アンドラダイト・グロッシュラーガーネット) 組成:Ca3(Fe, Al)2(SiO4)3 重量:0.218ct 産地:Mali 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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ヴィヨーマイト0.489ct
ヴィヨーマイトは硬度が2〜2半で水溶性の大変脆いレアストーンです。海外ではコレクター向けにカットされることがたまにありますが、カット成功率は極めて低く、熟練の限られたカッターでないとできない芸当です。国内で、この石をカットできるカッターは数えるぐらいしかいないです。 成分的にはNaFでフッ化ナトリウムで、塩化ナトリウムであるハライト(岩塩)の仲間です。脆い、水溶性など、ハライトと似た特長がありますが、ハライトと違い食べられません。 鉱物名:ヴィヨーマイト 宝石名:ヴィヨーマイト 組成:NaF 重量:0.489ct 産地:Russia 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットショップ 2019年shm
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トラピッチェエメラルド(含浸処理)1.053ct
割と透明感があり、色の濃い綺麗なトラピッチェエメラルドです。 "トラピッチェ"はスペイン語で、"サトウキビ絞り機"という意味です。六角形の形状が似ているためそのように呼ばれるようになりました。 私はこのエメラルドはコロンビアのムゾー鉱山のものしか見たことがなく、他産のものがあるか不明です。 他のエメラルド同様、トラピッチェエメラルドも例外なく含浸処理されます。当該石も含浸されています。しかし、当該石は若干のクラックが見受けられますがトラピッチェエメラルドとしては色が濃く、綺麗な六角形が見られるため割と上級品と思います。 ➡︎ラベルの組成式が誤っていましたので修正しました。 鉱物名:ベリル 宝石名:トラピッチェエメラルド(含浸) 組成:Be3Al2Si6O18 重量:1.053ct 産地:Muzo Mine, Western Boyacá, Boyacá, Colombia 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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タグトゥパイト(含浸処理)0.277ct
グリーンランドのピンクの稀少石、タグトゥパイトです。 この石は大体カボションカットが施され、不透明なものばかりですが、当該石はヘビーインクルージョンであるものの半透明なものになります。とはいえ、含浸処理されているため半透明らしいです。 鉱物名:タグトゥパイト 宝石名:タグトゥパイト(含浸) 重量:0.277ct 産地:Ilimaussaq, Narsaq, Kitaa, Greenland 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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スピネル(ホットネオンピンク)1.507ct
カット、カラー、大きさ、品質的にはかなり良いと思います。 いわゆる"ホットネオンピンク"と言われる鮮やかなピンク、赤系のスピネルで一番人気のある色合い。日独の鑑別書には「赤」「レッドスピネル」と書かれておりますが、、海外の鑑別であればvivid pinkになると思います。 惜しむらくは産地がわからないところです。古い標本であり、この色合いであれば、おそらくはベトナムルクイェン産でなく、ミャンマーモゴック鉱区のものと思いますが、、 →産地同定検査の結果、この石はモゴックの成分と近いと言うことでした。予想していたのでまぁモゴック産でいいかなと思います。 鉱物名:スピネル 宝石名:スピネル 重量:1.507ct 産地:Mogok, Pyin-Oo-Lwin District, Mandalay Region, Burma 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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ビクスバイト(無処理)0.170ct
鉱物種のひとつであるベリルにおいて、エメラルドとビクスバイトは宝石の使用に供されるためほぼ例外なく含浸処理がなされます。鑑別書には"透明材による含浸処理がされています''、とコメントが入るか、通常検査ではわからない場合、"通常、含浸処理がされています"とコメントされます。 このようなコメントは、ターコイズやジェダイトにも記載されますが、含浸処理されることが当然であるエメラルドとビクスバイトにももちろん記載されます。 ビクスバイトはユタ州のワーワー山地でしか採れない稀少な赤いベリルです。ただ、鉱山は既に閉山しておりカットルースは還流品か、昔に採った原石をカットしたものだけになります。 含浸されていない無処理のエメラルドは真偽は定かでありませんが、10万石にひとつとまでいわれます。非加熱のコランダムが100石中ひとつかふたつであると言われるため、無処理のエメラルドは無処理のルビーやサファイアよりも遥かに稀少です。 そのエメラルドより更に稀少で、しかも含浸されていないレッドベリル、ビクスバイトの稀少性は、私見ですが、マスグラバイトを上回る、まさしく世界一稀少性の高い宝石と認識しています。 当該石は、ルーペで若干のインクルージョンは確認できるものの、見た目を損なうものではなく、クラックやその他の瑕疵はありません。 ヤフオクで、鑑別書も付いていなかったので半信半疑でしたが、日独宝石研究所の偉い方からの連絡を聞き、驚愕しました。 ところで、原石派の方には知られているようですが、ビクスバイトの主要鉱山名は、カットストーン派の方は多分知られていないでしょう。以下の通りです。 鉱物名:ベリル 宝石名:レッドベリル(ビクスバイト)(無処理) 組成:Be3Al2Si6O18 重量:0.170ct 産地:Ruby Violet claims (Violet claims; Violet Mine; Red Emerald Mine; Harris Mine), Beaver Co., Utah, USA 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットオークション 2019年shm
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ウィルアイト1.314ct
ベスビアナイトといえば色が濃い緑のものがメジャーだと思いますが、当該石はマスカットグリーンのレアカラーになります。 ロシアの東部、サハ共和国産のベスビアナイトで、Wilui River 周辺で産出されたものです。"ウィルアイト"と呼ばれる独立種でありますが、鑑別書にウィルアイトと記載できないため、ラベルにはベスビアナイトと書きました。 アイドクレースはレアストーンの中では比較的メジャーな石であります。しかし、ノルウェー産でグレイッシュブルーのシプリン、ケベック州ジェフェリー鉱山産でピンキッシュパープルのマンガン含有ベスビアナイト等、知られていないカラーのものが多いと思います。カリフォルニアンジェードやこのウィルアイトもその一つでしょう。 鉱物名:アイドクレース 宝石名:アイドクレース 組成:Ca10(Mg,Fe)2Al4(SiO4)5(Si2O7)2 重量:1.314ct 産地:Sakha, Russia 鑑別:日独宝石研究所
宝石 ネットショップ 2019年shm