Schumann/PianoSonata No.1 in sharp op.11 Fantasie in C op.11

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ポリーニの若かりし頃のシューマン2曲。実は僕が買いに行ったのは彼のシューベルトだった。写真は角度が違うが、同じものでグラモフォン盤なので、てっきりそっちの方だと思って買って帰ってからシューマンだと気が付いた。
で、あまり聴かないソナタの方を聴いてみて、このピアノ技法のてんこ盛りのような曲をこれだけ耳の中で整理させてくれる見事さに感動した。音楽の混乱をアポロ的なソノリティで乗り切ってる。

ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 作品11

https://youtu.be/2bKWRDsC02o?si=2_RPAWFCkx9z-Clj
第1楽章 Introduktion:un poco Adagio-Allegro vivace 序奏部の右手の深い付点のリズムが印象的。どこか空虚で物狂おしい。
第2楽章 Aria:Senza passione, ma espressivo
第3楽章 Scherzo e Intermezzo:Allegrissimo ユニークなスケルツォ。ロンド形式?カメレオンのような舞踏。
第4楽章 Finale:Allegro un poco maestoso
クララシューマンへの献呈

https://youtu.be/2bKWRDsC02o?si=2_RPAWFCkx9z-Clj

幻想曲ハ長調 作品17
3楽章のソナタ風の幻想曲。シューマンの独特の屈折したロマンティシズムにあふれた代表作。

第1楽章 "Durchaus fantastisch und leidenschaftlich vorzutragen - Im Legenden-ton - Tempo primo"(全く幻想的に、情熱的に弾くこと - 昔語りの調子で - 初めのテンポで)

第2楽章 "Mäßig. Durchaus energisch - Etwas langsamer - Viel bewegter"(中庸に。全く精力的に - ややゆっくりと - 極めて活発に)

第3楽章 "Langsam getragen. Durchweg leise zu halten - Etwas bewegter"(ゆっくり弾くこと。常に静けさをもって - やや活発に)

例によってくどいほど指示が具体的。こんな枠が嵌っているにしてはいい演奏が多いのはなんでだろうね。本質的なところで人間が持っている情緒の揺らぎに本質的に重なっているということかね。読譜をして頭に響くテンポや音色の持つイメージを思い描いて楽譜の指示を眺めて『あ、なるほどね』と思えるんだろうかね。バケモンだねピアニストって。

大好きな曲です。こういうアプローチの代表はホロヴィッツだろうね。もう少し年取ってきてまだ指が怪しくないポリーニだったら、また違うアプローチになったかもしれない。
雄渾なスケールはないけれど、ボクは一番充実していた頃の館野泉さんの演奏も好きです。

この曲の個人的な印象はLabに書きました。
 ついでにどうですか。

https://muuseo.com/Mineosaurus/diaries/133

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