50 シンラプトル (Sinraptor )いわゆるラプトルではない大型獣脚類

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シンラプトル (SINRAPTOR)

 獣脚類/テタヌラ類/アヴェテロポーダ類/体長:7m/名前の意味:中国の泥棒
 1億5,400万~1億4,400万年前/産出地:中国

 ジュラ紀後期 アジア産の大型獣脚類。何故、『ラプトル』という名を付けたのか理解に苦しむ。メガラプトル類は前脚の第1指が鉤爪であり、これをドロマエオサウルス科のいわゆるラプトルの特徴的な後ろ足のシックルクロウ(鉤爪)と間違えた命名であることで、まあ、無理ないかなとも思うが、この恐竜にはそのような化石は見つかっていない。また、このでかい兄さんの名前をラプトル=泥棒という翻訳にしたのもちょっと疑問が残る。せめて『簒奪者』とかの訳の方がよかったようにも思うけど。
 シンラプトルをはじめ、とするシンラプトル科の恐竜の化石は今のところ中国のみで発見されている。頭骨には、鼻のあたりから上顎にかけて小さな穴がたくさん開いている。(これはスピノサウルス類の頭骨にもよく見られる。)
 同じくジュラ紀後半の中国に生息していた肉食恐竜、ヤンチュアノサウルスと近縁であり、実際に共通点も多かった。一見した区別がつきにくいが、細部に注目すれば具体的な違いが分かる。と言ってみたところで、そう言うことがわかるのは化石をつぶさに調べられる専門家の言い草だね。
比べたってしょうがない。絵を描く方は別物として描く。
ただ、頚椎=首の骨の構造は柔軟で首をかなり自由に動かすことができ、首を左右に向けながら、周囲の様子をはっきりと知覚できたと思われる。目がよく、追跡型ではなく、待ち伏せ型のタイプであったように思える。

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