ティラノサウルス スカベンジャーとしての側面から体色を考えたイメージ

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現生の肉食獣を検証してみても、大型の肉食恐竜であるティラノサウルスが腐肉食性のみで生存していたと考えることはまずできない。ティラノサウルスは非常に短期間で成体となる恐竜だが、成体となってからはあまり寿命が長くなかった。
幼体の頃は、体型が成体や亜成体とも大きく違っており、俊敏な走力と集団性を発揮し、小型獣脚類と言っていいような能力を模ていた可能性がある。
大型の肉食恐竜は自身の大型の体を維持するために必要な獲物を必要なだけ確保することは他の獲物と生物の生活域での絶対数に限りがある以上、難しい。
現存のライオンにしても約50%くらいが狩りによるもので、あとは他の肉食獣が仕留めた獲物を横取りしたり、原因不明でも死体となった生き物であればそれを口にしていなければ生存は難しい。
ティラノサウルスの優れた視力、(特に視野はさすがに猫や人間の120度までは無理だが、フクロウのような広い視野を持つ鳥類と同程度50度くらいはあったのではないかと言われている。両眼視できることと視野とはまた違った能力です。)嗅覚の異常な発達、シレース(ステーキナイフについている鋸状の刻み)骨まで砕くことが可能な歯と頑丈な顎。これらは狩りにも死体を漁るにも優れた道具であり、一方のみに使用したものとは思えない。
獲物がとれないときは腐肉の匂いを鋭く探知できる能力があることは肉食系の大型の生き物にとって重要です。とはいっても、死体はそうそうどこにでも都合よく転がっているものではない。恐らく、食物連鎖の頂点にある彼らはその部分において収斂して進化したといってもよい現生のライオンと同程度の腐肉食性を持っていたと考えても良いのではないかと思っています。

視力聴力の衰えは急激に起こらなくても、成長がピークに達したティラノサウルスの成体が必要とする多量の食糧は、亜成体の活動能力から大型化によって衰えた分、狩りと腐肉食のバランスが崩れ始め、腐肉食に偏り始めた時、彼の生命維持の期間は、同じように死肉を漁る競争相手の多さと、同一区域内で死を迎える動物の死体の数がよほど大幅に増えない限り、短くなってくるのが推測できるような気がします。おおざっぱな推論ですが、腐肉食性の動物にちょっと踏み込んだ印象のものを描くつもりで、この画像は、ティラノサウルスの頭部をコンドルのような印象に描いてみたものです。

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