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モノニクス 

獣脚類/コエルロサウルス類/アルバレズサウルス類
体長:1m /名前の意味:1本の爪
8,400万~7,100万年前/ 産出地:モンゴル

白亜紀後半になると、小型獣脚類の中には、恐竜か鳥か専門家でも頭を悩ますほど極端に鳥に近い種類が出現している。(ただ、これはあくまで人間側の研究結果であって、分類などというものは単に自分たちが調べている対象をまとめて認識し、整理するためのメルクマールに過ぎない。手段のほとんどが化石と現代動物の比較において検討されるため、新たな発見があったりすると、性急な判断は無に帰する。)
そういう学界において、最も激しい議論を呼んだのがモノニクスだ。
意外かもしれないが、羽毛を持った証拠となる化石は見つかっていない。仮に羽毛が生えていたとしても、前脚があまりにも太くて短いために、飛ぶことはおろか翼を広げて滑空することすらできない。しかし、骨盤の形、空を飛ぶ鳥特有の竜骨突起など、鳥類に通じる特徴も持ち合わせていた。
あらゆる特徴を考慮に入れ、化石から得たフォルムを推測するに、モノニクスの祖先は空を飛ぶことができたが、進化の過程で地上生活に適応し行くうちに、このような走行性の動物にたどり着いたとする説もある。
それほど、恐竜の時代は退化と進化が繰り返すゆとりがあるほど長い時代であったということだ。
短くて太い前足はあまりにもアンバランスで、前腕部(肘から手首まで)が、一本の巨大な鉤爪に置き換わってしまったかのよう。強力な筋肉がついていた形跡があり、アルバレスサウルス類の他の恐竜にも言えることだが、この異様な腕は実生活でどのような役割を果たしたものかいまだに明確は答えは出ていない。

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