33 イグアノドン (Iguanodon) 上(英語版)下(日本語版)

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イグアノドン

鳥盤類/鳥脚類/イグアノドン類/体長:6~10m/名前の意味:イグアナの歯
1億3,700万~1億2,100万年前/産出地:イギリス、スペイン、ベルギー、ドイツ、フランス、アメリカ

北アメリカとヨーロッパの広い地域に生息した大型鳥脚類。恐竜研究史上、その存在が最も早く認識された恐竜のひとつ。
サンプルがなく、想像に頼っていたため、当初は体長が60mを超す巨大なトカゲやサイのように頑強な四足歩行の爬虫類と思われていた。
1878年ベルギーの炭鉱で多数のほぼ完全な骨格が発見され、その全貌が明らかになった。外形的にカンプトサウルスなどに似ているが、イグアノドンの後足の指は3本。カンプトサウルスは4本。前者の胸骨はしゃもじ型で、後者は腎臓のような形。歯のない角質の嘴(くちばし)と。円錐形の棘(とげ)のような前足の親指なども大きな相違点である。たくさんの植物を摘み取るための堅い嘴と、それらをすりつぶすためのびっしりと二列に並んだ頬歯(きょうし)を持ち、非常に効率的な草食動物であったと推測される。親指のスパイク状の突起の使用目的は不明であり、肉食恐竜から身を守るという目的も考えられないことはないが、尖っていれば何でも武器とみるのは短絡的に過ぎるのではなかろうか。その目的ならもっと目立つところに威嚇の目的を果たせ、専守防衛の武器とするのが通常ではないか。親指を相手に突き刺した時にそれを抜く筋力は腕を引くことで作られる。恐竜の骨格構造と筋肉の付き方で効果的な武器たりえるのか。
それゆえ、様々な想像が生まれる。
誰も見たことないからね。生物学としての帰結にはならない。恐竜学ってさほどに曖昧です。なにしろ基礎となるのが化石だけだから。

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