31 ホマロケファレ (Homalocephale) 上(英語版)下(日本語版)

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ホマロケファレ

鳥盤類/堅頭竜類/パキケファロサウルス科
体長:3m/名前の意味:平らな顔
8,400万~6,500万年前/産出地:モンゴル

アジアの小型堅頭竜類。頭頂部は厚みがあるがフラット。堅頭竜類特有のドーム型ではない。その頭骨には上側頭窓と呼ばれる穴も開いていた。
こうした特徴から、ホマロケファレは、この種類の中では、原始的な恐竜だったと考えられている。一般的に幅の広い身体を持つ堅頭竜類の中でも、
特に幅の広い体つきをしており、腰と尾の結合部分の幅も非常に広く、尾の肋骨のような役割を果たす血道弓(けつどうきゅう)も、その一部が無くなっていた。この点に着眼して、この恐竜は現生のグッピー(熱帯魚)やマムシ(蛇)のように卵胎生の動物であった可能性を主張する専門家もいる。
他方、単に内臓を収めるスペースだったのではないかという意見もある。町が長ければそれだけ食べた植物を効率的に消化することができるからだ。
しかし、化石を根拠に推測できることに明確な結論を見出すことは困難である。
なぜ、推定棲息年代が6,500万年前とされるにもかかわらず、原始的なのか。卵胎生は卵生よりも原始的なのか、そもそも胴の部分が広いのは程度の差こそあれ、パキケファロサウルス科の堅頭竜類に共通するものであり、オスとメスの区別を明確にした上の議論なのか、生息状況に消化が困難な植物が多いと推定されるのか、様々な古生物学の問題点が見えてくる。現代の科学的論証の下に、動物分類学という系統分類学にコペルニクス的転換が必要なのではあるまいか。

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