Peron 7   Chant du Ménestrel

初版 2023/09/21 11:06

改訂 2023/09/21 19:49

グラズノフ/吟遊詩人の歌(Chant du menestrel)Op.71

愛すべき飲んだくれ。
アレクサンダー・グラズノフはロシア音楽はを受け継ぎ民族主義をベースにしつつ、その抜群のバランス感覚でロシアロマン派を昇華させた。
ショスタコーヴィチの才能を愛し、時代遅れと誰もが口には出さなかった。その超人的な記憶力と人柄の良さで、愛された。
それは彼を怖れたからではなく、彼の人柄がこよなく愛されていた証だった。
その超人的な記憶力でボロディンのいくつかの重要な作品を補完し、決して誇ることがなかった。
ショスタコーヴィチは自らの『証言』の中で、彼の人物について敬意を込めて触れている。


彼の作品にはシンフォニストとして名声を博した大作から異彩を放つ小品まで地に足の着いた重要なものが多いけれど、そのロマンティシズムは適度にフィルターがかかったように優美で暖かい。
この『吟遊詩人の歌』はチェロと管弦楽のための協奏形式で書かれたが、ピアノとのアンサンブルとしてもわかりやすく美しい旋律を聴かせる。

金管のノスタルジックな導入に弦のピツィカートを従え、チェロが主題を歌う。
文字通りの歌。重なる音楽の流れにゆらゆらと病葉(わくらば)が揺れて流れるように、ロマンティックな旋律は沈むことなく流れを下る。
いくつかのエピソードにぶつかるたびに音楽は少しずつ形を変え、テーマがクラリネットの旋律と入れ替わったときのチェロの通奏が鮮やかに浮き上がる

ロシアの亡命チェリスト、ミッシャ・マイスキーが パリ管と共演した作品集から。 アイテムとして展示してもいいけど、そのCDの部分的紹介をするには抵抗がある時、このLOBは便利です。

彼の小品には僕の大好きなものが多い。いくつかのエレジーやピアノ曲、バレエ音楽の挿入曲。
ぽつぽつ思いつくままに載せていければいいと思っております。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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    woodstein

    2023/09/21 - 編集済み

     小品の紹介をされていましたが、私はグラズノフといえばやはり交響曲が好きですね。世間的には4番が有名ですが、個人的には8番、それも朝比奈隆が新星日響を振った録音が良かったです。

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      Mineosaurus

      2023/09/21

      シンフォニストとしては別物のスケールを持っていますね。ボクはショスタコーヴィチを否定するのではなく、理解できない部分を腹に飲んで認めていく人間の大きさが好きです。
      3番から以降の交響曲は全て好きです。朝比奈さんとは相性がいいですね。ブルックナーのように彼が振るとなぜか構築してゆく音楽というより交響してゆく音楽が聴きやすく思えますね。

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