Person 11 ジョルジュ・エネスク 浅い夜夢

初版 2023/11/01 21:31

ガブリエル・フォレへのオマージュ

この曲の入っている作品18の小品を集めた組曲第3には第7曲にカリヨン・ノクターンという表題の音楽がある。

フォーレの名前の文字に対応する音名が使用されているのだが。ここでボクが選んだのは作品18の第1曲のメロディの方だ。

このアンダンティーノのピアノ曲は夜想曲(ノクターン)とは題されてはいない。けれど、晩年を迎え、作風の角が取れ、磨かれたリリシズムが作品を浅い夜の色に染める。

音の言葉はブラームスの銀色の真珠のように少ないけれど、醸す抒情はブラームスを通過したフランス人のものだ。

一音一音のニュアンスをギリギリまで軽く扱いながら夜の濃紺の中に薄く伸ばしてゆく。

刷毛の趨る方向に仄白い無数の感情の襞の残像がゆっくりとたち顕れて滲みながら消えてゆく。

ピアニストという職業人は魔法の指を持っている。

ヴァイオリンの名手であったエネスクは同じレベルのピアにストでもあった。

意思的な衣装を纏わず、恩師フォレの作品にあった簡潔と1音が醸す抒情の長さに寄り添うように創り上げた。

選んだ音と空気感は異なるけれど、

持っている抒情に共通点はないけれど

作曲者は師に思いを馳せている。

回顧的な作品ではあるけれど、決してその時代の夜想を描いてはいない。

フォーレの足跡を踏まないように用心深く20世紀の浅い夜に響いてゆく。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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