大分県佐伯市宇目町木浦内悪所内 白カテドラル水晶(古城水晶)

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産地名がとても不気味なこちらの水晶。中々なサイズのクラスターで、縦横10cmあります。根元の煙水晶を軸に、白く太い水晶がカテドラル状に成長しています。カテドラル具合で言えば、秋田県の荒川鉱山のものに近い印象です。

しかし、異なる点として、所々に隙間があり、その中には細く脆い水晶の柱面が見られます。クリーニングの土を取ろうとすると、一緒にスカスカの結晶まで折れてしまいます。

柱面の隙間=穴開き部分は、恐らく蝕像か破断されて生まれた空隙でしょう。それでも繰り返し鉱液に浸されたのか、しっかりとした形にはなっています。

思うに、産地名からこの水晶の生まれた背景を読み取れる気がします。「蛇」「悪」「鬼」という地名がある場所は、田畑に適していなかったり、蛇行した川のため水害が起こりやすかったり、沼地や水はけが悪いなどの理由で、先人たちが付けた名前だったりします。

例えば、平成後期に広島県の土砂災害があった場所が「八木蛇落地悪谷」だったり。

となると、「悪所」の内側にあるという場合は、何かに適していない場所だったのでしょう。地図を見る限りは山奥なので、土砂災害が起きやすい場所だったのかもしれません。

水晶の破断の原因のひとつなのかも知れませんね。

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