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DVD「武器よさらば」
アーネスト・ヘミングウェイの作品は数多く映画化されていますが、なかなか観る機会には恵まれなかったですかね。本文を作成するので、一応調べてはみたのですが、本展示アイテム収録作と、後でも触れますがそのリメイク作、そして『誰が為に鐘は鳴る』の3作品に止まったのは少し残念だったかな。もっとも、こと映画音楽に限れば『老人と海』『海流のなかの島々』『陽はまた昇る』などはサントラ盤を聴いたことがあるので、機会があれば触れることもできるでしょう。 それでまず原作ですが、個人的には高校生の時に読みました。それまでに、ヘミングウェイにはいわゆる「反戦作家」という刷り込みがあったので、小説のタイトルも相まってそのことが強調された内容だろう、という先入観を持っていたのですが、戦争によって人の運命が左右されてしまうというのはストーリーテラーの常道ですから、読後の印象は要するに「悲恋物語だった」というものでした。 それから20年以上経過して本アイテムを入手したときに本作を、そして本文作成時の数年前にリメイク作『武器よさらば』(1957年製作)を観たのですが、小説と映画は比較の対象にはならないとは言いながらも、あえて比較すれば、やはり両作とも原作ほどの魅力に乏しかったですね。 そうなると新旧両作の比較ということになりますか。まず、主役の二人についてはゲーリー・クーパーとヘレン・ヘイズのコンビの方が、ロック・ハドソンとジェニファー・ジョーンズのそれよりも明らかに魅力的でした。他方、脇役陣はリメイク作では、名女優マーセデス・マッケンブリッジや、ビットリオ・デ・シーカ及びアルベルト・ソルディというイタリア映画の重鎮が脇を固めていました。豪華ですね。そして、観た率直な感想は、本展示アイテム収録作の方が優っている。というか、リメイク作の方は2時間半を超える長尺であるも、冗長な凡作だったから、本展示アイテム収録作の方が印象がよかったのかな。ヘレン・ヘイズの色香はそこそこ魅惑的でしたが、クーパーは相変わらずクーパーでした。あと、監督のフランク・ボーザージ(ボーゼイギ、ボーゼージなどと表記されることも)は映画史に残る名匠なのですが、どうもそれに見合うような知名度に乏しいような気がします。文献上では多くの作品を残していることがわかるものの、実際に観たことがあるのは、『歴史は夜作られる』や、このフロアでも紹介している『第七天国』くらいなのが口惜しい。 最後に、本展示アイテム収録作の劇場公開時の邦題は『戦場よさらば』、この展示フロアのシリーズお得意の改題をしており、しかもリメイク作との混同もあり得るという愚行をここでもIVCは行っていました。 https://www.youtube.com/watch?v=KT1RIeg5WL0 #DVD #淀川長治 #武器よさらば #戦場よさらば #アーネスト・ヘミングウェイ #フランク・ボーザージ #ゲーリー・クーパー #ヘレン・ヘイズ #アドルフ・マンジュー
淀川長治 IVCwoodstein
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DVD「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
1992年製作。いきなり余談ですが、この紹介文を作成している時期に『ラストマン-全盲の捜査官-』なる連続テレビドラマが放映されています。主人公の福山雅治扮する、交換研修生として来日した全盲のFBI特別捜査官皆実広見(みなみ ひろみ)が独自のノウハウで事件を解決していく、というミステリードラマですが、その内容や出来はともかくとして、皆実の佇まいを眺めて何となく連想してしまったのが、本展示アイテム収録作でした。あらすじは、 「全寮制の名門ハイスクール、ベアード校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)は、アルバイトで盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話を頼まれた。翌朝、トラクス校長(ジェイムズ・レブホーン)が全校生徒の前でペンキまみれにされるというイタズラが起き、校長はその犯人の顔を知るチャーリーと同級生のジョージ(フィリップ・S・ホフマン)を呼びつけ、犯人の名を明かさないと週明けの特別集会で退学を申し渡すと脅した。さらに校長はチャーリーに大学進学の奨学金を交換条件に提示した。バイトの初日、チャーリーはフランクに無理矢理ニューヨークへの旅に同行させられることになり、一流ホテルや高級レストランを使うその超豪華な旅に仰天した。フランクはこの旅の最後に自殺すると平然と語り、チャーリーの学校での一件の話を聞くとジョージに裏切られる前に友を売って自分を救えと言う。翌日フランクはチャーリーと共に郊外に住む兄を訪ねるが、歓迎されずに寂しく立ち去った。さらに2人の旅は続いた。あるホテルのラウンジで、偶然近くに座った美しい女性ドナ(ガブリアル・アンワー)に近づき、ダンスを申し込んだフランクは、優雅なタンゴを披露した。次の日にはフェラーリに強引に試乗して陽気にはしゃぐ。そうかと思うとすぐ塞ぎ込むフランクにチャーリーは不安を覚えた。そして予告通りフランクは軍服を着て自殺しようとするが、チャーリーの必死の説得で断念し、2人の頬に涙が伝った。そして旅は終わり特別集会の日がやって来た。ジョージに裏切られたチャーリーは孤立するが、講堂にフランクが現れてチャーリーを援護する演説をして、全校生徒の支持を得たチャーリーは退学をまぬがれることができたのだった。」 (KINENOTEより) というもので、アル・パシーノは本作でアカデミー主演男優賞を受賞しました。だからというわけではありませんが、アル・パシーノの盲人の演技は絶品で、福山氏のリアリティに欠けるそれとは比較にならない。ですが、それでも両者の、特に相棒に対する「人垂らし」振りの佇まいは何となく似ている気がしてしまいました。まあ、作品の内容が違い過ぎるので、相当にこじつけてしまったのですが、私生活ではこの時期に「83歳で新たに父親になった」というパシーノに関する報道があり、その意味もあって取り上げてみました。 あと、本作はイタリアの作家ジョヴァンニ・アルピーノの小説 Il buio e il miele (「闇と蜂蜜」の意)を脚色したものですが、同原作の映画化としては1974年のイタリア映画『女の香り』があります。つまり、本展示アイテム収録作はこの作品のリメイクということになります。ただ、この『女の香り』に関しては本邦劇場未公開で、どうも映像ソフトも出版されていないようですが、アルマンド・トロヴァヨーリのサントラCDは国内盤が『女の芳香』というアルバム名でリリースされており、名盤です。いずれ紹介できればいいのですが…。それで思い出しましたが、本展示アイテム収録作のトーマス・ニューマンのスコアも佳作でした。 最後に吹替ですが、やはりアル・パシーノの担当は野沢那智氏というのがしっくりきますね。それだけで他はどうでもいい。主な吹替はタグに表示しておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=6r9xTCsIU14 #DVD #セント・オブ・ウーマン/夢の香り #マーティン・ブレスト #トーマス・ニューマン #アル・パシーノ #クリス・オドネル #ジェームズ・レブホーン #ガブリエル・アンウォー #フィリップ・シーモア・ホフマン #野沢那智 #江原正士 #納谷六朗 #沢海陽子 #真地勇志 #吹替 #アルマンド・トロヴァヨーリ #女の芳香 #福山雅治 #ラストマン-全盲の捜査官-
DVD ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント CDショップ 2002年woodstein
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DVD「マジェスティック」
2001年製作。ストーリ・テリングの手法として使用されているのが「記憶喪失」と「人物の入れ替わり」ということになりますが、それを組み合わせることで物語を展開させるというのは、ベタであるとも言えますが、それなりに凝った設定とも言えるでしょう。あらすじは、 「1951年のハリウッド。新進脚本家のピーター・アプルトン(ジム・キャリー)は、赤狩りの嵐が吹き荒れる中、非米活動委員会から共産主義者だと名指しされる。動揺したピーターは車で事故を起こして川に転落、近くの田舎町ローソンの住人に助けられた。町の人々は彼が第2次大戦に出征して行方不明になっている英雄ルークだと勘違いし、記憶喪失になっていたピーターはルークとして生きることになる。そしてルークの父ハリー(マーティン・ランドー)は、ルークの死にショックを受けてから長らく閉めていた映画館マジェスティックの再建を決意。また、かつてルークの恋人だった法学生アデル(ローリー・ホールデン)が帰郷。ピーターは彼女に心惹かれ、町の人々の温かい気持ちに触れていくうち、次第にルークであることに馴染んでいく。そしてマジェスティックが再建。しかしその矢先、ピーターは記憶を取り戻し、やがて事故車を発見したFBIが彼を逮捕。そして審問会に。そこでピーターは、勇気をもって赤狩りを批判する。それが周囲の賞賛を呼び、見事映画界にカムバック。だがピーターはまもなくその座を捨て、アデルに会いにローソンの町へ戻る。町の人々の大歓迎を受けた彼はそこでの生活を選び、再びマジェスティックで働くのだった。」 (KINENOTEより) 「記憶喪失」と「人物の入れ替わり」に加えて、映画館の再生、そしていわゆる「(第二次)赤狩り」も盛り込み、さらにはピーターを取り巻く人間模様も折り込んだのですから、それだけでもフランク・ダラボンの演出力は見事の一言。2番目の画像にあるパッケージに、 「『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』 フランク・ダラボン監督が贈る奇跡と感動の3部作、ここに完結!」 なる謳い文句がありますが、作品の出来としては前の2作を凌駕している、と個人的には思っています。 あとこの作品の背景音楽にはジャズナンバーが目立ちますが、それらを支えるマーク・アイシャムのスコアが地味に素晴らしい。いずれ、サントラ盤を展示する機会があれば、その辺りも語ってみたいですね。 最後に吹替に関してですが、何といってもマーティン・ランド―を納谷悟朗氏が担当したことに尽きます。言わずと知れた『スパイ大作戦』での当たり役ですが、ランドーの他の映画出演作の吹替を納谷氏が担当することはあまりなかったので、このキャスティングを本展示アイテムのジャケットの表示で認識したときは嬉しかったですね。主な吹替はタグに表示しておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=TK9umGHmUfg #DVD #マジェスティック #フランク・ダラボン #マーク・アイシャム #ジム・キャリー #マーティン・ランドー #ローリー・ホールデン #ジェームズ・ホイットモア #アレン・ガーフィールド #ハル・ホルブルック #森田順平 #納谷悟朗 #込山順子 #大木民夫 #園江治 #小山武宏 #吹替
DVD CDショップ 2003年 HA-22119woodstein
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DVD「13デイズ コレクターズ・エディション」
2000年製作。購入したのは発売直後で、数度見た後は長らく死蔵していたのですが、昨今の国際状況を鑑み、かつての冷戦が如何ばかりのものだったのか、その一端を伺う意図をもって再見しました。 本展示アイテム収録作は、言わずと知れた「キューバ危機」に際して、ホワイトハウス、それもケネス・オドネル(大統領特別補佐官)、ジョン・F・ケネディ(大統領)、そしてロバート・ケネディ(司法長官)がどのように振舞ったかを描いた作品です。あらすじは、 「1962年10月16日、ソ連がキューバに核兵器を持ち込んだという知らせがケネディ大統領(ブルース・グリーンウッド)のもとへ届く。彼は直ちに緊急の危機管理チーム、国家安全保障会議緊急執行委員会、通称エクスコムを招集。会議では空爆が推薦されたが、第三次世界大戦の勃発につながる危険があり、大統領はそれを避けたかった。彼は本音を打ち明けられる弟の司法長官ロバート(スティーヴン・カルプ)、親友の大統領特別補佐官ケネス・オドネル(ケヴィン・コスナー)と共に、最善の手を探る。空爆を迫る軍部を退けた大統領は、国連総会のため訪米したソ連外相と会談するが、外相はミサイルの存在を否定する従来の主張を繰り返すのみ。大統領の疲労と緊張は限界に達しはじめるが、ケネスは「国民はきっとあなたについてくる」と励まし、腹をくくった大統領は海上封鎖実施を発表。しかしキューバのミサイルは発射準備を整えつつあり、大統領は止むなく29日に空爆の準備を指示。さらに、爆撃目標の最終確認に飛び立った偵察機が撃墜されるという事件が起こる。軍部は即時報復を進言し、事態は一触即発の状態に。それでも大統領はトルコのミサイル撤去を切り札に最後の交渉に賭ける決意を変えず、ロバートを駐米ソ連大使との交渉役に任命する。弱気を示す彼をケネスが励まし、現場に同行。かくして核戦争は回避され、悪夢の13日間は無事幕を閉じるのだった。」(KINENOTEより) というもので、ハリウッドが初めてキューバ危機の真実に迫った社会派サスペンス・ドラマでした。 こういう題材はいくらでもドラマティックに演出できるはずであり、ロジャー・ドナルドソン監督には当然その力量はあるはず。それでも、あえてドキュメンタリー・タッチにしたのは、賛否両論のあるところなのでしょうが、私見ではこの判断が作品の成功に貢献したのではないか、と思っています。ただ、この作品について残念なのはサントラ盤が出版されなかったことです。担当したのがトレヴァー・ジョーンズですから、じっくりと音楽そのものを聴いてみたかったです。 あと、収録されている吹替ですが、ケビン・コスナーを担当している原康義氏のセリフ回しが何だかクーパー捜査官のようで、少し合わなかったかな。個人的にはやはり津嘉山正種氏に担当して欲しかったですね。その他の主な吹替はタグに表示しておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=8xwmnF_SnsU #DVD #13デイズ #ロジャー・ドナルドソン #トレヴァー・ジョーンズ #ケビン・コスナー #ブルース・グリーンウッド #スティーヴン・カルプ #ディラン・ベイカー #ビル・スミトロヴィッチ #マイケル・フェアマン #ヘンリー・ストロジャー #ケヴィン・コンウェイ #ティム・ケラハー #フランク・ウッド #マディソン・メイソン #原康義 #安原義人 #森田順平 #水内清光 #金尾哲夫 #中庸助 #石波義人 #秋元羊介 #中博史 #小形満 #仲木隆司 #ケネス・オドネル(大統領特別補佐官) #ジョン・F・ケネディ(大統領) #ロバート・ケネディ(司法長官) #吹替 訂正 上記紹介文中では、本展示アイテム収録作のサントラ盤CDは出版されていないと表記しましたが、実際にはリリースされていました。先日、中古レコード店で偶然見つけましてね。当然入手しました。ということで、追記して訂正させていただきます。誤った情報を掲げてしまったこと、誠に申し訳ありませんでした。
DVD 日本ヘラルド映画 CDショップ 2001年woodstein
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季刊「映画宝庫 1978新年 No.5 サントラレコードの本」
1978年1月1日発行。『映画宝庫』は1977年から80年に亘り芳賀書店から刊行された季刊誌で全14巻、「キングコング」「ヒコーキ・戦争映画」「B級映画」「SF映画」「西部劇」「日本映画」「サントラレコード」「ドラキュラ」「スーパーヒーロー」「悪玉、悪役」などバラエティに富んだ特集を毎号展開しました。で、個人的には、この『映画宝庫』については、本格的に映画を観始めた1970年代末にはその存在を認識していましたが、他にも映画雑誌を定期購読していたこともあり、なかなか手が出ませんでした。その後、少し経済的に余裕ができた際も何度か古本屋などで見かけたのですが、大概が全14巻まとめ売りで、たまにバラ売りに遭遇しても、本展示アイテム以外の巻のことばかりで、結局入手はできていませんでした。そして、最近になって念願かなって入手できたのですが、その内容の濃さには改めて驚かされました。 ですので、この限られたスペースでその内容を詳らかに紹介するのはちょっとできませんので、とりあえず目次に掲げられた記事項目をいくつか挙げてみると、 ・海外発売サウンドトラック オリジナルジャケット展 ・オリジナルサントラ盤完全ガイド ・わが青春とサントラ・レコード 1930年代の映画から(双葉十三郎) 映画の夢を象徴する音楽(渡辺武信) 素晴らしき映画音楽の時間(石上三登志) 宇宙の声と西部の空と(小野耕生) さりげないシーンに魅せられ(伊藤勝男) ・映画音楽ギャグ・コレクション ・代表的コレクターその秘訣を語る(柳生すみまろ,河合弘市,牛木宏) ・映画主題歌ベスト150(日野康一) ・日本映画サウンドトラック・リスト(福田千秋) ・輸入盤レコード店案内 ・アメリカで見つけた映画レコード屋と珍版 などで、濃淡があるとはいえ、それぞれに興味深い内容が目白押しでした。個人的に面白かったのは「代表的コレクターその秘訣を語る」で柳生すみまろ、河合弘市、及び牛木宏の3氏が三者三様にどのようにレコードコレクションを充実させているか、その手段が興味深かったです。言い忘れていましたが、まだCDが世に出る以前の話ですから、さすがに隔世の感はありますが、先人の苦労話からは学ぶところも多いですね。 さて、ここでは裏表紙にある『ソドムとゴモラ』の音楽の動画を貼り付けておきます。ミクロス・ローザの名盤でした。 https://www.youtube.com/watch?v=1JDDBPcpTc4 #映画音楽 #サントラ #レコード #双葉十三郎 #渡辺武信 #石上三登志 #小野耕生 #伊藤勝男 #柳生すみまろ #河合弘市 #牛木宏 #日野康一 #福田千秋 #筈見有弘 #川上博 #小野志朗 #宮本啓 #吉沢博 #河野基比古 #ソドムとゴモラ #ミクロス・ローザ #思い出
映画音楽関連書籍 古書店 2022年 芳賀書店woodstein
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雑誌「キネマ旬報1982年6月上旬号」
1982年6月1日発行。内容に入る前に個人的な話。本展示アイテムを入手したのは最近のことなのですが、実は以前にも同じものを所有したことがあり、つまり最初に読んだのは実に40年以上も前のことでした。その後、家庭内の事情で他の号とともに処分してしまったのですが、どうしても読み返したくなり、買い直しました。 表紙の画像からもわかるとおり、今回触れるのは「外国映画音楽ベスト・テン」の特集記事についてなのですが、そのベスト・テンの結果よりも興味深かったのは「ユア・ヒット・パレード」に関する記事。昭和30年から昭和40年代半ばまでのベスト・テンとオール・ベスト100の一覧表は、時代を映す鏡の一つであり、かつ今もって知らない曲も少なからずランク・インしていたはずで、それが何だったかを確認したくなったわけです。当時とは異なり、今はネット検索できますしね。あと、「いい映画音楽とは…」という題の座談会もちょっと読み返したくなっていたので、渡りに船でした。野口久光、河野基比古,小藤田千栄子、そして日野康一の、映画評論家の中でも音楽に比較的造詣の深かった4氏によるもので、結構忘れていたエピソードもあったことが確認でき、これも意義深かったです。 ただ、この号に関しては全32ページにわたる映画音楽特集もさることながら、『熊座の淡き星影』の日本初公開、『若者のすべて』オリジナル完全版劇場公開に合わせた淀川長治氏その他による座談会も掲載されており、どちらかというとそれが目当ての本展示アイテム再入手でありました。 さて、ここでは『雨に唄えば』と紛らわしい題名の曲、「ユア・ヒット・パレード」オール・ベスト100の54位だった『雨に歩けば』という曲の画像を貼り付けておきます。この楽曲については詳しくは知りませんが、ジョニー・レイという歌手によるもので全米2位の大ヒットになったそうです。そして、どうも映画主題歌ではないようです。 #キネマ旬報 #映画音楽 #野口久光 #河野基比古 #小藤田千栄子 #日野康一 #淀川長治 #大滝美津雄 #雨に歩けば #ジョニー・レイ #思い出 https://www.youtube.com/watch?v=8uCsvWgmjwg&t=3s
映画雑誌 初回定期購読、2度目ネットオークション 初回1982年、2度目2023年 キネマ旬報woodstein
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書籍「映画音楽」 青木啓、日野康一著
1969年12月20日発行。そのものズバリの本のタイトルなのですが、それだけその中身の質に自信があったことの表れということですかね。それはともかく、要するに全編映画音楽に関する内容であり、表紙の帯に「この本は映画音楽の楽しいエンサイクロペディアです。」と記載されているように、字引のような体裁になっています。もっとも、対象作品が260本と、昭和9年から44年までというくくりであっても、本邦公開された映画の数からいうとごく一部ですから、「百科事典」を標榜するのはいささか大袈裟かな。とはいうものの、この260本の選択の仕方はなかなかに味があり、さらには付録内容も特に「サウンドトラック白書」などは、なんとなくわかってはいたものの、それがまざまざと活字になったという記事で、ある意味溜飲の下がる思いもできました。 で、選択された作品の音楽がどのように紹介されているかというと、1作品につき1ページを使用し、作品そのものと、その音楽の簡単な紹介がされているのですが、特筆すべきは主題歌のあるものはその訳詞の一部を記していることで、それが260本全部ではないですが、かなりの数の作品についてなされているというのは、いかにこの著書が労作であったのかが伺えます。サンプルとして、『カサブランカ』『卒業』『太陽がいっぱい』のページを、4~6番目の画像に掲げました。あと、掲載されていたカラー口絵の中から、リズ・テイラーのプロフィールが美しい『いそしぎ』とモニカ・ビッティが魅惑的だった『太陽はひとりぼっち」の写真を7、及び8番目の画像に掲げました。あとついでですから、『カサブランカ』の主題歌『時のすぎゆくままに』の動画も貼り付けておきます。 #サントラ #映画音楽 #青木啓 #日野康一 #淀川長治 #カサブランカ #卒業 #太陽がいっぱい #いそしぎ #太陽はひとりぼっち https://www.youtube.com/watch?v=GGxAOtNe9iQ
映画音楽関連書籍 ネットオークション 2022年 誠文堂新光社woodstein
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Blu-ray+DVD「SUPER8/スーパーエイト」
2011年製作。とりあえず、ストーリーの一部を示します。 「1979年の夏。オハイオの小さな町で保安官の父と暮らす少年ジョー(ジョエル・コートニー)は、ある夜、仲間たち5人と家を抜け出し、8ミリ映画の撮影に出かける。だが、その撮影中に偶然、米軍の貨物列車の大事故に遭遇。アメリカが絶対に秘密にしなければいけない、“何か”を撮影してしまう。それは実は、アメリカ政府の指示によって秘密軍事施設“エリア51”から“何か”を輸送する途中だったのだ。少年たちが事故現場に落とした8ミリフィルムの空き箱を発見した米軍は、極秘情報が何者かに目撃されたと判断して町中の捜索を開始する。やがて、町では不可解な出来事が連続して発生。犬たちが一斉に消え、9人が行方不明……。さらに、事故現場から持ち帰った白い謎のキューブが不思議な動きを始め、全てを目撃した少年たちは、真実を探しに行くことを決断する……。」 (KINENOTEより) 何といっても、今をときめくJ・J・エイブラムス監督、そしてスティーブン・スピルバーグが製作で、ストーリーにも関与しているわけですから、本展示アイテムを入手した際はそれなりの期待を持ったのですが、その反動もあるのでしょうか、相当落胆しました。 一応、映像ソフトを展示する際には駄文ながら、それなりの紹介文を作成させてもらっているのですが、本展示アイテム収録作についてはどんな内容にしようか、ということにかなり悩みました。もっとも、それは認める事項が乏しいから、というわけではなく、むしろありすぎるくらい、と言ってもいい。ちなみに、本文を作成する以前に別の文章を作成していたのですが、その作業が進行するにつれてだんだん憂鬱になってきましてねぇ。結局、本文に作り直しました。だったら、そんなアイテムなんて展示しなければいいだろう、という向きもあるでしょうが、それでも言いたいことはある。それを次段以降で少しばかり述べてみます。 思いつくだけでも、肉親の死、父親との葛藤、友情とロマンス、SF・ミステリー、サスペンス、大人への自立など様々な要素が詰め込まれ、それだけでもやり過ぎの感はありますが、そこから湧き出てきたのは、これもよくこの作品では言われているようですが「既視感」ですね。別に既視感が悪いとは言いませんが、本展示アイテム収録作に関してはむしろ「猿真似」の風情を感じてしまいました。要するに、スピルバーグはもちろん映画史にもその占める割合の高い偉大な監督ですが、その作風にはダークな側面もあり、それが自身以外の監督作品で露呈してしまった、というのが私見です。それらが具体的にどこの場面であるかを挙げ始めると冗長になるので、ここでは論じませんが、もしこの作品をスピルバーグが監督していれば、何らかのカタルシスを感じ取れる演出をしてくれたのでは、と想像してしまいます。 あと、本展示アイテムには吹替も収録されていますが、あまり触れる気にはなりませんね。ただ、本展示アイテムにはそのキャスティングが全く表示されていません。ですので、ネット検索した結果を、主なキャスティングについてタグで表示しておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=t-0XuYxh67w #Blu-ray+DVD #Blu-ray #DVD #SUPER8/スーパーエイト #スティーブン・スピルバーグ #J・J・エイブラムス #ジョエル・コートニー #エル・ファニング #ライリー・グリフィス #カイル・チャンドラー #ロン・エルダード #ノア・エメリッヒ #ガブリエル・バッソ #ケイティ・ロウズ #ザック・ミルズ #本城雄太郎 #小幡真裕 #宮坂健太 #木下浩之 #松山鷹志 #大川透 #小林廉 #藤本教子 #小清水一揮 #吹替
Blu-ray+DVD 駿河屋通販 2022年 PPCB120759woodstein
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書籍「コサキンというラジオ」 TBSラジオ編+鶴間政行
2022年12月15日発行。まず、「コサキン」の話題についていけるMuuseo館長の方ですが、私以外で確認できているのは僅かに3名しかおられませんので、とりあえずはその方々向けの展示ということになるのかな。 著者の鶴間政行氏は「コサキン」のラジオ番組の構成作家で、この人について語り出すと長くなりますからここでは割愛しますが、つまりは「コサキン」の生き証人ということですかね。本展示アイテムに収録されている内容は、その「コサキン」のラジオ番組の変遷の歴史をその時々のトピックスを織り交ぜて展開しているものを中心としているのですが、それだけではなく「コサキン」が始まる前からの関根勤、小堺一機のキャリアがどのようなものであったかにも触れており、読み進むごとに様々な記憶がよみがえりました。特に小堺氏に関しては、関根氏と木曜日を担当する前の、『雄二・小朝の夜はともだち』の頃から聴いていましたので、そのことにも少しですが触れられていたのは嬉しかったですね。とはいうものの、本番組群は一貫して深夜放送であり、しかも現在のようにラジコのタイムフリーもありませんでしたから、聴き逃したりしたことも多かったですが、その事で生じた隙間を埋めてくれるような内容も含まれていました。 内容の詳細については触れませんが、個人的に嬉しかったのは「コサキン」の番組名が組み込まれているラジオの番組表が折に触れて掲載されていることで、ラジオフリークだった頃の自分を思い起こすきっかけとなってくれました。すなわち、本展示アイテムは一義的には「コサキン」のネタの歴史を概観しているのですが、それと並行して放送時のTBSラジオの他番組の存在も間接的に触れており、往時への懐かしさが喚起されました。 ということで、その「コサキン」は令和になって5回ほど復活していますが、ここではその5回目、2022年9月4日放送分の音声を掲げておきます。 #コサキンというラジオ #コサキン #鶴間政行 #小堺一機 #関根勤 #TBSラジオ #深夜放送 https://www.youtube.com/watch?v=GVWnG33mSN4&t=1911s
ラジオ番組関連書籍 本体1,300円+税 通販 2022年12月woodstein
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書籍「世界映画音楽事典‘78 キネマ旬報増刊10・4号」
1978年10月4日発行。いきなり余談ですが、このアイテムについては学生時代にキネマ旬報を定期購読していた頃からその存在を認識しており、羨望をもってずっと欲しいと思い続けていたものの、2,400円と高額であり、結局手が出ませんでした。その後、その存在は記憶の彼方に追いやられていたのですが、つい最近のこと、ネットオークションで出品されていることを偶然知り、結局30年余り前の思いをやっとのことで遂げることができました。 そのような思いをもって、手元に届いてからは種々の作業の合間に少しずつ中身を見ているのですが、「事典」とあるようにすべてを読み込む、という類のものではなく、必要に応じて「引く」というのが本展示アイテムの普通の利用法ですかね。それで、昔の書籍にありがあちなことなのですが、それにしても字が細かい、というのが第一印象。ですが、それよりも私自身に対するインパクトが強かったのは、数多くの当時の映画関係の広告ですね。特に8番目の画像にある東宝の映画劇場の羅列の広告にはとても懐かしさが募りました。 内容は「映画がトーキー化された1927年から1978年までの日本を除く世界の映画から音楽の面でとくに重要な作品981本を選び出し、これらに解説を加えたもの」「解説は音楽に重点をおいたため映画の内容にはふれること少なかった」(本展示アイテム44ページより)で、具体的ににどのような記載されているかは映画『ジョーズ』『未知との遭遇』『スターウォーズ』の掲載ページを4~7番目の画像に挙げておきました。まあ、ほんの寸評にしかなっていないのは致し方ないことで、作品によってはないよりはまし、というものもありますし…。 ということで、執筆者人も懐かしい名前が少なからず見られましたが、それらは3番目の画像で確認して頂くとして、ここでは2番目の裏表紙にある『ナイル殺人事件』の音楽を貼り付けておきますかね。ニーノ・ロータ晩年の作品でした。 #映画音楽 #キネマ旬報 #世界映画音楽事典 #ジョーズ #未知との遭遇 #スターウォーズ #ナイル殺人事件 #ニーノ・ロータ #思い出 https://www.youtube.com/watch?v=unNwKCzB7i8
映画音楽関連書籍 ネット・オークション 2023年2月 キネマ旬報woodstein
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月刊雑誌「レコード・コレクターズ 1994年9月号」
1994年9月1日発行。表紙に「【特集】サウンドトラックを聞こう! 追悼ヘンリー・マンシーニ」とあるように、ヘンリー・マンシーニ逝去に合わせて、彼の音楽だけではなく、この際映画音楽を薄く、狭く特集するというものでした。2番目の画像にヘッドラインの一部を掲げておきましたが、やはりもっとも面白かったのは、柳生すみまろ氏による「マンシーニの仕事の全体像を見渡す」という記事で、40余のディスクの紹介、およびその寸評という内容は興味深いものでした。あと、今回読み返して隔世の感があったのは、座談会記事の最初の話題がいわゆる渋谷系、若しくはサバービア系に関してだったことで、この文章を作成している段階では、そんなブームがあったのかと思ってしまうほど、跡形もない感じです。とにかく全45ページ、カラーのレコードジャケットのページも含めれば50ページに及ぶ特集は、それなりに読み応えがありました。 ヘンリー・マンシーニに関して言うと、彼自身はアメリカ出身ですが、両親はそのファミリー・ネームからも推察できるようにイタリアからの移民であり、そんな背景もあるせいか、アメリカの音楽が基本線ながら、作風の中にどこかイタリアテイストも込められている、というのが私見であり、魅力だとも思いこんでいます。 ということで、主な執筆陣は下記のタグに表示しておきますが、その中に一人、実に意外な形で、現在私と交流のある方がおられることが確認できました。どのような形かというのは、その方のプライバシーに関わることなので詳らかにはしませんが、その方の現在の振舞いの理由の一端が伺えるものでした。 #レコード・コレクターズ #サウンドトラック #ヘンリー・マンシーニ #河原晶子 #牛木宏 #河合弘市 #瀬川昌久 #賀来卓人 #田原典久 #佐藤秀樹 #今野雄二 #コモエスタ八重樫 #橋本徹 #後藤幸浩 #寺田正典 #青木啓 #柳生すみまろ #渡辺亨 #オードリー・ヘプバーン #音楽雑誌
音楽雑誌 古書店 2023年2月 株式会社ミュージック・マガジンwoodstein
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DVD「モナリザ」
1986年製作。冒頭に小ネタを一つ、製作総指揮にジョージ・ハリスンが名を連ねています。もっとも、ビートルズ・フリークの館長の方々はそんなことは御存じでしょう。この年は例の問題作『上海サプライズ』の製作時期でもあり、映画に活路を見出そうとしていたのでしょう。 さて、本展示アイテム収録作は何と言っても主役のボブ・ホスキンスなのですが、結構語り尽くされているので、ここでは別の雑感を。ちなみに、この作品で彼のファミリーネームを「ホスキンス」と認識しました。つまり、彼のことは以前に『コットンクラブ』や『未来世紀ブラジル』でも観ていたのですが、そのときは「ホプキンス」と思い込んでいたわけです。昭和50年代前半に広島東洋カープ、南海ホークスでプレーしたゲイル・ホプキンスの名前に引きずられたのでしょう。 で、本題。今回改めて観直したのですが、画面が幻想的で美しいことを再認識、撮影のロジャー・プラットは前出の『未来世紀ブラジル』の他、この後年『バットマン』『フィッシャー・キング』『永遠の愛に生きて』『フランケンシュタイン』『12モンキーズ』『アベンジャーズ』『ショコラ』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『トロイ』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』などの作品を担当、また本展示アイテム収録作のニール・ジョーダンとは『ことの終わり』でもコンビを組みましたが、特に夜のシーンの映像表現は魅惑的でした。 あと、ボブ・ホスキンスと並んで異彩を放っていたのが高級コールガール役のキャシー・タイソンで、前出のロジャー・プラットの腕前もあったのでしょう、とても魅力的でした。ですので、最初にこの作品を観終わったとき(1987年頃)は、今後が楽しみな女優だ、と思いましたが、これが完全な見込み違いで、その後いくつかの作品に出演したようですが、いつの間にか消えてしまったのが残念です。 残念と言えば、この作品のマイケル・ケイメンのスコアは素晴らしく、サントラ盤CD,若しくはレコードが欲しかったのですが、劇場公開時にはリリースされず、その約25年後にひっそりとCDがリリースされたのですが、入手し損なったのが痛恨で、現在でも中古店やネットオークションなどで巡り合えればいいな、と思っていますが、これは余談。この作品の音楽の白眉はやはり極め付けであるナット・キング・コールの『モナ・リザ』ということになるのでしょう。 https://www.youtube.com/watch?v=KMDvh1iq3Nc #DVD #モナリザ #ジョージ・ハリスン #ニール・ジョーダン #ロジャー・プラット #マイケル・ケイメン #ボブ・ホスキンス #キャシー・タイソン #マイケル・ケイン #ナット・キング・コール #モナ・リザ
中古レコード店 1999年 ASBY-1144 株式会社アミューズビデオwoodstein
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雑誌「キネマ旬報2000年7月上旬夏の特別号」
2000年7月1日発行。映画雑誌の『キネマ旬報』については一言では語り尽くせないほどの思い出はあるのですが、それについては別の機会に。で、本題ですが、表紙の画像で一目瞭然、映画音楽についての特集で、掲載内容については目次(2番目の画像)を見てもらうとして、ここでは項目を絞って触れてみたいと思います。 まず「サントラ*ショップ*ガイド」(3及び4番目の画像)ですが、東京及び大阪の各3店舗ずつが紹介されていますが、この文章を作成している段階(2023年2月)で、そのまま現存しているのはタワーレコード渋谷店のみ、ただ、大阪のディスクピア、JUNGLEは移転・業態の変更などして継続いるようですが、すみや渋谷店、えとせとらレコード蒲田アニメ・サントラ店、ミヤコ心斎橋店は存在していません。特にすみや渋谷店は往時には足繫く訪れましたから、今でも懐かしくかつ残念な思いが募ります。 次に「読者の選ぶ思い出の映画音楽ベスト57」(5、6及び7番目の画像)ですが、あまり順位とか選ばれた映画タイトルとかには興味はそそられず、むしろその選考理由の稿で挙げられていた映画タイトルが興味深かったですね。私の想像以上に武満徹や伊福部昭の音楽に人気があったのは、少し意外でした。 最後に「サントラ買いのチェックポイント」(8番目の画像)ですが、注目したいのは「バージョン違い」の項、いわゆる「デストロイドバージョン」のことに言及しています。まあ、世に出るのは実際に映画本編で使用された音楽のサントラ盤であり、使用されなかった音楽が世に出るのは、いわゆるブートレック、つまり海賊盤で、というのが殆どであり、大概に入手困難、というのは想像がつきますね。 それ以外にも様々な項目の記事がありましたが、20年以上経過した段階で読み返しても、「古い」と思うものはあまりない、こんなところから映画音楽は「エヴァ―グリーン」なのだと、音楽を聴いてではなく、文字面を眺めて実感してしまいました。 ということで、ここでは私が観たことがなく、ベスト57に入っていた『暗黒街の対決』の予告編の画像を貼り付けておきます。佐藤優の音楽と挿入歌の『夜を消しちゃえ』の片鱗が垣間見えるかな。 #キネマ旬報 #映画音楽 #すみや渋谷店 #暗黒街の対決 https://www.youtube.com/watch?v=r9KwJlGtEzw
映画雑誌 キネマ旬報社 ネットオークション 2023年1月woodstein
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コンサート・パンフレット「ジェリー・ゴールドスミス ハリウッド映画音楽の夕べ」
本アイテムは、1998年12月11日(金)に横浜みなとみらいホールで、同16日(水)に五反田ゆうぽうと簡易保険ホールで開演された神奈川フィルハーモニー管弦楽団演奏のコンサートのパンフレットで、ネットオークションで入手、つまりは実際にこのコンサートに行ったわけではありません。ただ、さすがにジェリー・ゴールドスミスですからねぇ、多少競り合った末に落札しました。 で、実際に手にしてみた第一感は、今回の落札価格は論外として、もしこれが有料で、昨今の映画のパンフレットのような価格だったら、コンサートホールで購入するのを躊躇する人も少なくないだろう、ということですかね。もちろん、私は飛びついて購入するでしょうが…。それはともかく、内容的には非常に労作で、コメント寄稿の面々も評論家の河合弘市、上原昭一、作曲家の大谷幸、大島ミチル、渡辺俊幸、そしてJWFC(ジョンウィリアムズ公認ファンクラブ)の会長であった、故・神尾保行氏などが名を連ねたり、上記の上原氏所有のジェリー・ゴールドスミス作品レコードのジャケット写真が何点か掲載されるなど、コンサート演奏曲の解説以外の記事もそれなりに充実しています。 ただ、私自身嬉しかったのは、ジェリー・ゴールドスミス自身の写真(2、4及び5番目の画像)と、このコンサートが実施された1998年までの「FILM & TELEVISION WORK LIST」(6、7及び8番目の画像)が掲載されていたことで、特にこの後者の一覧表にはその作品の音楽がCD化されているかどうかも明示されており、私のようなコレクターにはありがたい限りです。ジェリー・ゴールドスミスが逝去したのは2004年でしたから、彼の作品の記録の大半のタイトルを知ることができるわけですから。 ということで、ここではこのコンサートのオープニングで演奏された(であろう)『スタートレック 叛乱』の画像を張り付けておきます。 #ジェリー・ゴールドスミス #映画音楽 #コンサート・パンフレット #神奈川フィルハーモニー管弦楽団 #河合弘市 #上原昭一 #大谷幸 #大島ミチル #渡辺俊幸 #神尾保行 #スタートレック_叛乱 https://www.youtube.com/watch?v=02iX82Dm8Ok
映画音楽関連書籍 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ネットオークション 2023年1月woodstein
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コンサート・パンフレット「Screen Music Concert オリジナルサウンドトラックにこだわった!! オーケストラ名作シネマ館」
2007年3月11日(日)15:00に東京芸術劇場大ホールで開演された東京フィルハーモニー交響楽団演奏のコンサートのプログラムで、ネットオークションで何と10円という出品価格だったのを結局送料も含めて200円そこそこで入手したもので、つまりは実際にこのコンサートに行ったわけではありません。個人的には、自身で体験したものではないこともあり、普段ならば入手の「対象外」なのですが、商品説明の写真の中に故・野沢那智氏のインタビュー記事が掲載されているのが確認できましたので、安価でもあるし、軽い気持ちで購入しました。 インタビューの内容自体は、これまでにどこかで見聞きしたようなもので特に目新しさはなかったのですが、このコンサートの約3年後に氏は逝去されたので、それなりに貴重な記録とも言えるでしょう。5~8番目の画像にあります。 それ以外には戸田奈津子氏へのインタビュー記事もありますが、それよりも興味深かったのは東京テアトル会社顧問の寄稿記事、というよりもそれに付随して掲載された東京テアトル株式会社経営劇場の今昔写真でした(4番目の画像)。特にスーパーシネラマ上映シアターであったテアトル東京には個人的には思い入れもありますので、この3ページに亘る記事は望外のものでした。 選曲は、一般のファンも知っている、若しくはイージーリスニングのファンならば馴染みというレベルのもので、いわゆる「知る人ぞ知る」という曲がなかったのは致し方ないところでしょう。マニアックに走るとお客さんは来てくれませんからね。もっとも、実際のプログラムで演奏された曲の中では『天地創造』『誰が為に鐘は鳴る』の映画音楽は比較的に一般的ではないのかな。 #映画音楽 #コンサート・パンフレット #東京フィルハーモニー交響楽団 #野沢那智 #東京テアトル株式会社 https://www.youtube.com/watch?v=5pPUd0J768A
映画音楽関係書籍 東京フィルハーモニー交響楽団 ネット・オークション 2022年woodstein