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これが水戸黄門だ!
2003年11月19日発行。表紙の写真の黄門様が里見浩太朗氏であることからわかるように、本書がカバーしているのは5代目の「水戸黄門」までで、それも第32部の途中までとなります。ちなみに、里見=黄門版は2011年第43部にて終了しました。 さて、本書は第32部の最終回が通算1,000回となることからそれにちなんで刊行されたもので、良くも悪くもその歴史を振り返る、というのが基本的な構成になっています。「悪くも」としましたが、やはり近作、特に1,000回記念スペシャルにより重きを置くという内容になっていますから、ちょっときつい言い方をすれば、近作と過去作の取り扱いで公平を欠いているような気がしました。ですが、グラビアが豊富で巻末にはこの段階までの作品の一覧が掲載されるなど資料的な価値もあります。あと、個人的に興味深かったのは「歴代ゲスト出演回数ベスト50」の記事で、この第32部の段階で2位に入っていたのが川合伸旺氏、吹替ファンの目線でいうとポール・ニューマンの声の人だということで、何となく嬉しかったですね。 #テレビドラマ #時代劇 #水戸黄門 #里見浩太朗 #川合伸旺
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ラスト・キャッスル
「卓越した指揮能力を謳われながら、重大な作戦ミスを問われた米陸軍のアーウィン中将が軍刑務所へ送られてくる。迎えた刑務所長のウィンター大佐は実戦経験の無い男。過酷な管理体制で囚人たちを圧殺してきた彼のやり方は、アーウィンに対しても例外ではなかった。人間の尊厳を踏みにじるかのようなウィンターの冷徹な仕打ちが加速する。やがてアーウィンの心の堰が切れた時…。一触即発の心理戦から男たちの怒りが逆巻くクライマックスの暴動へ―。」というのが、DVDケース記載の紹介文です。 レッドフォードと監獄もの、というと、出監のシーンで始まった『ホットロック』、身分を秘めて収監して実情を探った『ブルベイカー』などがありましたが、本格的なものは本作が唯一無二となります。まあ、設定からして結末の分かっているストーリーですから、その過程をいかに楽しませるかが作品の評価に直結するわけですが、要は主役のレッドフォードがいかにヒーローとしてカッコよく見せられているかがポイントで、その意味ではレッドフォード扮するアーウィン中将の敵役である刑務所長ウィンター大佐に扮するジェームズ・ガンドルフィーニの憎々しさは圧巻で、見事な引き立て役でした。 ということで、本作はそれほど知名度はありませんが、エンターテイメント性に富んだ佳作で、機会があれば是非観て頂きたい作品です。なお、本アイテムには日本語吹替も収録されており、レッドフォードの吹替は野沢那智氏が担当していますが、無難な仕上がりというところでしょうか。 https://www.youtube.com/watch?v=THWd2Qtp_mo #DVD #ロバート・レッドフォード #ラスト・キャッスル #ロッド・ルーニー #ジェリー・ゴールドスミス #ジェームズ・ガンドルフィーニ #野沢那智 #吹替
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物理に関する10話 坂間勇著
1989年10月31日発行。坂間先生は駿台予備校で受験物理の指導に定評のあった講師で、特に高校物理とは一線を画する、微分・積分を使用した物理学本来の考え方を予備校生に教授するその指導方針は、特に上位校を目指す理系学部の受験生には多くの支持を得ました。その坂間先生による本書は、いわゆる全範囲を網羅する受験参考書というものよりも、いわばコラム集の風情ですが、その内容は本格的なものです。あと、坂間先生には名著の誉れ高い『坂間の物理』という著書など複数あるのですが、それらの多くは本書と並んでネットオークションでは高額の値付けで出品されています。 #坂間勇 #参考書 #物理学
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NHK大河ドラマ・ストーリー 花神
1977年1月10日発行。昭和52年に放映された大河ドラマ「花神」のガイドブックということですが、まだ放映が始まったばかりの時期の出版ですので、ドラマの出演者の写真はごく僅かで、あとは専らこのドラマに関する関連資料やロケ地の風景写真がグラビアの大半を占める、という構成でした。あと、グラビア以外は、原作者の司馬遼太郎氏へのインタビューや登場する歴史上の人物の紹介、大まかなストーリーの記載などがありますが、なかなかの読み応えでした。 個人的には、初めて1年を通してみた大河ドラマがこの「花神」で、しかも今考えてもなかなか秀逸の出来だったと思うのですが、残念ながらいくつかのエピソードを除いては総集編しか現存していません。そのようなドラマ自体のことについては、本作のDVDを展示する際に触れたいと思います。 #大河ドラマ #司馬遼太郎 #花神 #世に棲む日日 #十一番目の志士 #峠 #伊達の黒船
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普通の人々
言うまでもなく、ロバート・レッドフォード第1回監督作品にして、作品、監督賞を含むアカデミー賞4部門受賞作品という誠に誉れ高い作品で、このときは今後のレッドフォードの監督としてのキャリアに大いに期待がかけられたのですが、その後の結果を見ると、失敗と言えないまでも成功とは言い辛いですね。比較するのが適当かどうかはわかりませんが、例えばクリント・イーストウッドの監督作は質・量ともにレッドフォードを凌駕しているのは疑いようもないことですから。 作品の内容やアカデミー賞受賞の背景などについては様々に語りたいことがあるのですが、それらについては別の機会に譲ることにして、ここでは本アイテムに収録の吹替について触れます。 ・ドナルド・サザーランド:金尾哲夫 ・メリー・タイラー・ムーア:小宮和枝 ・ティモシー・ハットン;浪川大輔 ・ジャド・ハーシュ:安原義人 ・エリザベス・マクガヴァン:大野エリ という吹替配役が添付のリーフレット記載ですが、テレビ放映時の配役は順に前田昌明、野沢雅子、神谷明、坂口芳貞、佐々木るん、で、普通の吹替ファンならば後者の配役に軍配を上げるでしょう。要するに、テレビ放映時は放送枠に合わせて本編がカットされるので吹替が収録されていない部分があり、その部分だけ字幕になってしまうのは良くないので、新たな吹替を収録しよう、という意図なのでしょうが、どうですかね。そういうコンセプトの賛成の方もおられるかもしれませんが、少なくとも私個人はこの考えかたには与しません。というのも、これが一期一会の鑑賞の機会であり、作品内容を理解するために字幕の煩わしさを避けて吹き替えたものを楽しみたい、というのであるならば、そうかな、とも思うのですが、この種のDVDは手元に置いて複数回の鑑賞をしたいと思って入手するわけですから、作品内容の理解のための新録吹替を従来存在するものを押しのけてまで収録するほどの価値があるとは思えません。それに新録を制作するのは、それなりに経費もかかりますしね。 もっとも、昨今のBlu-rayには、その作品に関して制作された複数種の吹替バージョンを収録する、というアイテムも登場してきており、そのことが一般化すれば、前段の主張などどうでもいい話になりますがね。 https://www.youtube.com/watch?v=mKkcyK1VpGY #DVD #ロバート・レッドフォード #普通の人々 #ドナルド・サザーランド #メリー・タイラー・ムーア #ティモシー・ハットン #ジャド・ハーシュ #エリザベス・マクガヴァン #吹替
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鵜川薫 in ウルトラセブン サトミへのエチュード
1999年12月20日発行。ウルトラ警備隊のハヤカワ・サトミ隊員を演じた鵜川薫氏が著者という形式をとった、1999年までの平成ウルトラセブンのガイド本です。最近でもウルトラセブン関連のイベントに出演するなど活動しているようですが、彼女もすでに40歳代、時の経つのは本当に早いものです。個人的には、ガイド本ならこんな形式にしないで、もっと作品紹介を詳細に行うものにして欲しかったですが、そうもいかなかったのかな。表紙と冒頭の10ページ余りのグラビア写真をご愛嬌と割り切れれば、内容的にそう不満はない出来ですので、この辺りは何らかの矜持が働いたのでしょうね。 #ウルトラセブン
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心にウルトラマンレオ
2001年1月30日発行。本書は「検証・第2次ウルトラブーム」シリーズの第4弾という位置付けで、他のシリーズ本と同様に、本編に関する興味深い評論が目白押しですが、私自身ウルトラマンレオという作品自体に思い入れがあまりないせいか、他の3冊よりも納得感が希薄でした。もちろん、これは私自身のせいで、本書に落ち度があるわけではありません。面白かったのが、郷秀樹が運んできた怪獣ボールよりモロボシダンの手で出現した「セブンガー」に関する考察文ですかね。このキャラクターはどうもこれ一度のみで、私の知る限り、その後のウルトラマン関係の映像作品に再登場していないようなので(もしあったらゴメンナサイ)、何らかの形で復活してくれないかな、と思っています。 #ウルトラマンレオ
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ウルトラマンDNA Vol.1
2004年9月10日発行。「ウルトラマンAGE」最終号の発行がこの一月前でしたから、形としてはそれを継ぐもの、という風情も無きにしも非ずでしたが、このシリーズも長続きはしませんでした。興味深かったのは、実相寺昭雄氏が放送当時に執筆したものの映像化されることのなかった「ウルトラQ『キリがない』」の収録、及びこの作品に関する実相寺氏のコメンタリーで、要するに映像化には費用が掛かり過ぎてボツになったということで、それではこの頃放映されていた「ウルトラQ~dark fantasy~」ではどうか、との質問に対し、「面倒くさい」と答えたのは、いかにも氏らしく、何だか愉快でした。 #ウルトラマンDNA #実相寺昭雄
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ウルトラマンDNA Vol.2
2005年1月15日発行。以前、このフロアに展示・登録した『ウルトラマンDNA Vol.4』の紹介文ではVol.2及び3を入手しなかったのかのような表記をしましたが、先日堆く積み重なった映画のパンフレットの束の中から、この2冊が見つかりました。誠に恥ずかしい話ですが、おそらくVol.4購入後に店頭でこの2冊の在庫を見つけ、とりあえず購入したものの、放置しているうちに他のものの在庫の山に埋もれてしまったのでしょう。今回発見して、改めて読んだのですが、内容に記憶がない。購入した時分に碌すっぽ読まなかったのでしょう。まあ、とにもかくにもVol.1及び4を展示したアイテムのVol.2及び3が手元にあるわけですから、これらも追加して展示・登録させて戴きます。 とは言うものの、表紙の華やかさとは裏腹に興味を引く記事は、あまりなかったようです。でも、その中で興味深かったのは、『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』などの音楽を担当した冬木透氏のインタビュー記事ですかね。特に 「いまは、少し音楽が多すぎます。昔は三十分の枠の中にせいぜい三曲から五曲ですよ、テーマ以外に。いまはもうベターッと入ってるでしょう。あれは、僕のやり方と違う。 いまは音楽に意味がなくなってきた時代です。」 というこの言葉には共感しますね。 #ウルトラマンDNA #冬木透
ウルトラマン 小学館 980円 2005年頃woodstein
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ウルトラマンDNA Vol.4
2005年10月1日発行。Vol.1 の次がVol.4なのか、という突っ込みも聞こえてきそうですが、正直この頃はたとえ店頭で見かけても「ウルトラマンDNA」には手が伸びなかったですね。では、なぜVol.4だけ持っているのかというと『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』のDVD発売に合わせた特集記事が掲載されたからで、特に撮影裏話の類いは興味深いものでした。そして、この「ウルトラマンDNA」シリーズ、どうもVol.5で休刊になったようですが、定かではありません。 #ウルトラマンDNA #怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス
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スター・ウォーズ/シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア〔帝国の影〕
1997年6月11日発行。「帝国の影」は映画本編でいうと「帝国の逆襲」と「ジェダイの帰還」の間に位置するストーリーで、小説、NINTENDO 64のゲームソフト、そして本書のようにコミックスにもなった番外編エピソードです。ちなみに、ジョエル・マクニーリーが制作したサントラ風イメージ・アルバムなんてものもありますが、それについてはその盤を展示した際に語ります。内容的には、カーボンフリージングしたハン・ソロをジャバ・ザ・ハットの元へ運ぶボバ・フェットに対し、多額の報酬を支払うことを嫌うジャバ・ザ・ハットの意を受けた賞金稼ぎや、ルーク・スカイウォーカーなどの反乱軍の一行がハン・ソロの奪還を目論むが…、というもので、所詮は「帝国の逆襲」と「ジェダイの帰還」ありきの後付けストーリーに過ぎません。それでも、本書を入手したのは、ジョエル・マクニーリーが制作したサントラ風イメージ・アルバムの存在があったからで、他のスター・ウォーズ・エクストラストーリーのコミックスには、私は食指が動きませんね。 #スター・ウォーズ #シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア #帝国の影 #ジョエル・マクニーリー
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別冊宝島714 僕たちの好きなウルトラマン TV版『ウルトラマンシリーズ』完全解析
2003年1月3日発行。対象となるのはウルトラマンからウルトラマンコスモスまでの実写13作品。個人的には、特に後半の6作品については本当になじみが薄いので、なんとも紹介しづらいですが、140ページ余のボリュームでたとえ知らない作品に関する記事であっても、最後まで楽しませてくれ、そのことだけでも1,000円払って悔いなし、と思わせてくれました。ただ、「完全解析」は言い過ぎだろうな。 #ウルトラマン #ウルトラセブン #帰ってきたウルトラマン #ウルトラマンエース #ウルトラマンタロウ #ウルトラマンレオ #ウルトラマン80 #ウルトラマングレート #ウルトラマンパワード #ウルトラマンティガ #ウルトラマンダイナ #ウルトラマンガイア #ウルトラマンコスモス
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謎の円盤UFO大全 柿沼秀樹・伊藤秀明編
2003年12月5日発行。このミュージアムでは双葉社の「大全」シリーズの中から何冊かのアイテムを展示しましたが、少なくともその中では最も出来の良くない編集、というのが素直な感想です、もちろん私見ですが。なぜ、そのような不満を持つのかというと、全ページ数のほぼ半分が関連商品(特にプラモデル・玩具の類い)の紹介・解説に費やされているからで、そのような諸アイテムに別に興味がないとは言いませんし、本作が放映されていたころの時代背景の説明として意味は大いにあるとは思いますが、ここまで力を入れてブッコむのか、と思ってしまったわけです。もっとも、その不満は同フロア展示の別の関連本の存在でかなり払拭はされましたが…。 #謎の円盤UFO
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キネマ旬報別冊 Video days 創刊号
1987年10月1日発行。本文を作成するに際し、それなりに「ビデオデイズ」なる雑誌に関して検索してみたのですが、7号くらいまでは古本として取引されているのは散見されたものの、それ以上のことはわかりませんでした。それで本書ですが、昭和62年にこのような雑誌が創刊されたということは、この時点ではビデオテープという媒体がこれからの映像文化の担い手である、という認識だったのでしょうね。その後15年くらいはそのとおりでしたが、さらにDVDなどが登場したことは言わずもがなで、メディアの発展は著しいとしか言いようがないです。その辺りのことはいずれ別の機会に語るとして本書ですが、紙質もよくカラー写真も多く、記事もキネマ旬報の制作だけあって専門的、かつ良質で資料的価値もあり、これで580円は当時としてもかなりお買い得感はありました。 #ビデオデイズ #キネマ旬報
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帰ってきたウルトラマン大全
2003年1月15日発行。「帰ってきたウルトラマン」関連本というと、同フロアに『帰ってきた 帰ってきたウルトラマン』を展示・登録していますが、こちらの書が評論集という態なのに対し、本書は分析結果集という感じですかね。この分析というのは、各全話のストーリーを詳細に案内した上にそのシナリオについての言及もなされているという点で、より深い理解に寄与するものでした。ただ「大全」とはよく言ったもので、活字が概して細かいうえに300ページを超える大部ですから、すべてを読み込むのはかなり骨が折れます。あと、個人的に嬉しかったのは、第34話「許されざる命」のラストに流れる「花・太陽・雨」に関する解説がコラムとして2ページに亘ってなされていたことですかね。 #帰ってきたウルトラマン
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