第五次発行25銭黄: 消印について / 5th Issue 25 Sen yellow: cancellations 【2023/12/24追記】

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高額面(5円、20円)を除くと手彫證券印紙の中の最難関である第五次発行25銭黄色印紙は、雑多なロットに潜んでいるのを掘り出すしか入手のチャンスはないと言っても良いほど。今回入手した手彫印紙のロットに入っていた傷モノではあるが、貴重な一枚を追加することができた。ライティングの加減で橙色味がかかってしまっているが、実物は綺麗な黄色である。

この一枚を入手したもう一つの理由は、押されている消印。篆書体の、八角形と思しき特徴のある消印が押されている。

この消印については、小生のコレクションルームを訪れていただいた、muuseoで印紙類の膨大なコレクションを披露されておられる印紙類研究家さんから頂戴したコメントでご指摘いただいたもので、氏が所有されておられる第五次発行25銭黄色印紙(下記URL参照)にも押印されている。

https://muuseo.com/carow151852/items/77?theme_id=34634

小生の所有する5枚のうち、3枚が同じ消印(画像2枚目)で、さらに、長谷川(2022)にも同じ消印をもつ第五次発行25銭黄色印紙が図示されている。恐らく同じ時期に同じ場所で使われたものがまとまって海を越え、様々なコレクターの手に渡ったものが、少しずつ里帰りしているものと推察される。

切手と違って、印紙は消印の重要性や有用性はほぼ無いが、この第五次発行25銭黄色印紙に限っては、興味深い共通点として今後の調査対象としていきたい。

【2023/12/24追記】先日、縁あって手彫証券印紙の大コレクションを拝見する機会を頂き、この第五次発行25銭についてもストックブック2ページ分(あるところにはあるものである!)を精査させていただいた。予想通り、この篆書八角印消しが全体のおよそ8割を占めており、一箇所でまとまって消費されたことがまず間違いないと言えるエビデンスを得ることができたと考えている。

 また、某オークションでこの印が押された単片を含むロットを落札できたので、到着次第、改めて紹介したい。

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