1/500 Pan Am Boeing 747-SP Reg.N533PA "Clipper Young America"

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“Special Performance”
現在では当たり前となった〝太平洋無着陸飛行“も1970年代にはまだまだハードルの高かく、有力路線な羽田-ニューヨークもアンカレッジ等経由で運行されていました。
時間も費用も掛かるこの運用形態に対し、運行航空会社からは“HND-NYC間をノンストップで結ぶ事が出来る機材開発”要求の声が高まります。
これに対し当時DC-10型を製造していたMcDonnell Douglas社は、同機をベースに長距離型のDC-10-ER(Extended-Range)型の開発を発表します。
1970年に747型旅客機をデビューさせ、圧倒的なキャパシティによる“中距離大量輸送能力”では他の追従を許さないBoeing社でしたが、一番可能性のある同機をもってしても燃費の問題で本課題はクリアできないと判断、ただライバルに対し時間的猶予も無いと考え、同機をベースに大改造を施し、長距離用のSP(Special Performance)型を生み出します。
まず重量軽減の為747型機の最大の特徴である乗客数を犠牲に胴体を約14mもカット!
また機体短縮で発生するヨーイングやピッチング対策として水平垂直尾翼の拡大がなされます。その結果生み出された、まるで“チョロQ”と化したそのスタイルは伊達ではなく、747-100型の航続距離9,800 kmに対し12,325 kmと約25%もの距離拡大、同時に意図せずエリアルールが改善されたことにより、速度も向上します。
そんな同機はローンチカスタマーでもある“Pan American Airways”より1976年3月から就航を開始し1989年に747-400の登場までの13年間に渡って製造続け、その後も各地で飛び続けた息の長い機材となりました。

展示モデルは、ローンチカスタマーのPan Amさんが運航した機材の一つで、同社最後の“ビルボード”スキームを纏った最終仕様、2011年のHerpa Wings Club Model としてリリースされたモノです。
パッケージ裏写真のスキームが異なるので、はじめ”箱取違い”かと思い調べたら正解でした♪
ここら辺の写真管理が面倒なのか、最近の同社の製品に実機写真が少なくなっちゃいましたね(寂)

【模型資料】
・模型メーカー:herpa(DE)
・製品番号  :517997
・製品タイトル:Pan Am Boeing 747SP "Clipper Young America"
・発売年次  :2011年

【実機資料】
・運用会社  :Pan American Airways
・実機メーカー:Boeing(US)
・実機形式  :747SP-21
・製造番号  :21025/273
・Reg.    :N533PA
・エンジン  :P&W:JT9D-7A_x4
・稼働年次  :1976年3月~1986年2月

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