モスクワ電撃戦

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1941年6月23日、ヒトラーの200万を数えるドイツ精鋭部隊は国境を越えソ連領内へと踏み込んでいった。ポーランドそしてフランスを瞬く間に崩壊させた新戦術”電撃戦”を駆使したドイツ装甲集団はソ連軍の戦線を突破し各所で包囲網を形成しつつ首都モスクワを目指していた。その中でも第2装甲集団のグデーリアン、第3装甲集団ホト進撃ペースは凄まじく、7月にはモスクワへの中間地点であるスモレンスクを占領していた。「ソビエトは腐った建物と同じだ。ドアを一蹴りすれば建物全体が崩れ落ちる」まさにその通りの状況だった…。
「モスクワ電撃戦」は1941年6月に行われたドイツ軍によるソ連侵攻作戦”バルバロッサ作戦”をテーマとしたシミュレーションゲームです。ウォーゲーム市場が斜陽になってきていたこの時期、ゲーム界のレジェンド、鈴木大佐はその状況を危惧して翔企画を設立しました。そして、初心者でも簡単にプレイできるウォーゲーム、SSシリーズを制作、発売するのです。それは新たなユーザーを増やすための業界全体のことを考えた試みでした。確かにルールは簡単、パッケージもできるだけコストを抑えて商品価格を抑え、初心者でも手に取りやすいようにした販売思想には頭が下がります。が、デザイナーのプロ中のプロである鈴木大佐率いるデザイナー集団が作ったゲームは、ルールは簡単でも勝つためには非常に頭を使う、さすがといわれる仕様となっていたのです。そのため、ヘビーユーザーには物足りず、初心者には難しいシリーズとなってしまい、販売はおせじにもよくなかったようです。ですが、素晴らしいことにルールブックの最後に、このゲームに慣れた人へのガイドとして他社から発売されている同じ東部戦線のゲームを紹介しているのです。ライバル会社の商品を紹介しているなんて普通ではありえません。その志には今でも頭が下がります。
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