Ziegfeld Follies

0

(アステアの出演シーン以外に言及すると長くなるので省くが、初めて見た時に強烈に感じたことは「日米(日欧)の“笑い”の違い」だ。
面白くないとか、笑えないという感想ではなく、なにか「痛々しいほどの演じ方」の加減に引いてしまった。)

「そうこなくっちゃ!」とファンなら膝を叩く人選のオープニング。
わかりやすい、安定の流麗さの「This Herat of Mine」。
側転の振り付けに驚く「Limehouse Blues」。
美しいのに目立たない女性が相手役ということもあって、どれも完全にアステアがメインなので、マニアとしては心おきなく集中できる楽しさだ。

いやいやしかし、いつ誰がどこで何と言っても「The Babbitt and the Bromide」でしょう!! やっぱり。

長嶋か王か、レノンかマッカートニーか、大鵬か玉子焼きか、に並ぶ「フレッド・アステアとジーン・ケリー」がサシで踊るのだから!!!

かつてアステアがお姉さんのアデールと踊っていた曲(タイトルが「凡人と俗人」というのもなんともはや!)を選び、自分たちを茶化した導入で始まり、スタイルの違う二人に同じ衣裳を着させて……と、もうずーっとニヤニヤさせられっぱなしである。

何百回と観かえして、いろいろと語りたい細かいところが沢山あるが、本当にキリがないので割愛。

ただ一つ、個人的に勝手に解釈し納得しているのは、恐らく振り付けの9割以上がケリー主導だということ(ケリーが尻もちをついている間に踏むほんの短いステップが、まさに「アステア振り」で嬉しくなる)。

――このナンバーだけで一晩は語りあかせる。

追:ジュディ・ガーランド主演のナンバー「A Great Lady Has an Interview」。
上記「The Babbitt~」を繰り返したあと必ず見たくなる。

Default