渡歐案内 昭和六年 改訂新版

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日本郵船株式會社『渡歐案内』昭和六年 改訂新版

欧州航路の92頁に及ぶ案内書です。

別に諏訪根自子さんの事が記載されている訳ではありませんが、この5年後の1936(昭和11)年1月に渡欧される際にもきっと同年版を手に取られたであろう、当時の日本郵船の欧州航路の携行レジュメ的冊子であります。

*日本から欧州への経路
*欧州航路使用船と寄港地
*乗船運賃
*渡欧船客一般心得
*渡欧船脚特典
*寄港地案内
*乗船ご注意
*手荷物積卸方
*埃及等の出入國税
*旅客手荷物保険 及 旅行傷害保険
*海外旅行中の用心
*欧州航路浬程表

一般心得項ではパスポートから乗船申し込み、内地港湾迄路線、携帯品、税関、船内案内、船内でのマナーや服装に至るまで詳しく、

また特に寄港地案内項は大変充実していて観光案内・歴史・通貨・税制・ホテル・注意点など、そして途上の海峡など大変詳細に、今で言う"地球の歩き方"みたいなガイドブック的内容で、この冊子の総ページ数の大凡半分が割かれており現代と比較しても大変興味深く、きっと根自子さんも其々の地で手に取られてつらつら眺めておられたのではないかな?と推測する次第です。

神戸から乗船された後、目的港である馬耳塞(マルセイユ)迄の寄港地は…

門司-上海-香港-新嘉坡-馬拉加-彼南-古倫母-亞丁-蘇士-坡西土-ナポリ-
馬耳塞(マルセイユ)

大凡一ヶ月強(35~40日)の船旅で、その概要を推し量れる一級の資料だと感じます。

本来であれば刊行時の1931(昭和6)年とすべきなのでしょうけど、便宜上渡欧された1936(昭和11)年1月のTLに掲載する事とさせて頂きます。



最後の一枚は、鹿島丸の乗船者サイン帳の根自子さん自署(*古書店さんの過去記事より)。

#諏訪根自子 #nejikosuwa #鹿島丸

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