十角面取り利休杯(リキュールグラス)

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丁寧なカットにより10面の面取りが施された利休杯(リキュールグラス)。口縁部は明治期のグラス・コップによくみられる研磨仕上げになっている。手取りが重く、ヌメリのあるガラス質で、指で弾くと高い音が響く。また、ガラスの色調もやや黒味を帯びており、この時代に見られる鉛ガラスの特徴を備えている。幕末から明治初期にみられる透明鉛ガラスを用いた、厚手の型吹きガラス作品群を「水晶手」と呼んでいるが、この作品も水晶手の一種である。イギリスやフランスのバカラ製グラスを模したものであるが、カットの精度も高く一見本歌に見紛う出来である。

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  • スッキリとしていて美しいグラスですね。
    写真の撮り方も素敵です!

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