ノベルティーコップ「ミカドサイダー・ミカドレモン」

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白色のエナメルによる、王冠のマークにミカドサイダー・ミカトレモンの表記が廻るノベルティーコップ。レモンのみ「ミカト」となっているのは、単に誤記であろう。おおらかな時代である。大正~昭和初期にみられるごく一般的なガラス素地で、気泡もそれほど目立たない。
ミカドサイダーは「日本清涼飲料史」によると、日東鉱泉株式会社の製品で、昭和3年に上野で開催された大礼記念国産振興博覧会において、最高賞である「優良国産賞」を受賞している。三ツ矢サイダー・キリンレモン・金線サイダー等に並んでの受賞であるから、品質の高い製品であったようだ。しかしながら、昭和9年に開催された全国清涼飲料品評会出品目録には、ミカドサイダーの名も日東鉱泉株式会社の名も無い。この間に廃業もしくは吸収合併され、ミカドサイダーは終売した可能性がある。
ミカドの名にふさわしく王冠がマークとして用いられているが、美しいデザインで見ていて楽しい。また、プリントの状態も良く薄造りな点が好ましい。

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