Maria Elena / The 50 Guitars of Tommy Garett

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 50ギターズ6枚目のアルバムにして、彼らのスタイルを決定づけた1枚。いや、スタイルはすでに1枚目でできていたのです。必要なのは50本のギター系楽器に乗っかるリード楽器でした。それを求めて、ギャレット氏は世界を彷徨したわけです。しかし、幸せの青い鳥は自らの手元にある。これは物語の定番ですな。そしてここでもその定番は有効だったわけです。いや、定説か?まあ、どうでもよろしい。
 「リードが欲しいと思ってたら、同じ町内に、名前も同じトミー君がいたじゃないか。」てなところでしょうか。今回のアルバムからソロ・ギタリストとして #トミー・テデスコ の名がクレジットされるようになります。ジグソー・パズルの最後のピースがはまるように50ギターズサウンドが完成します。1曲目のマリア・エレナをお聴きになるだけで、完成度のほどがおわかりいただけるだろうと思います。トミーさんの情感たっぷりのギター・ソロで幕を開け、満を持したかのようにギターズがバックに入り込む瞬間の美しさ。それにしてもトミーさんのギターは良く歌います。1枚目から彼を使っていれば遠回りをしないで済んだものをと思いつつも、ハワイやイタリアもあれはあれで結構なものでしたから、文句は言いますまい。
 選ばれたラテンの曲も、耳になじむものが多いですね。ポインジアーナとか、アマポーラ、そよ風と私(もうちょっとテンポ良くやって欲しい気もします)。なぜかラテン好きだった私が中学生の頃から口ずさんだ曲ばかりです。今回初めて聴いた、フラメンコ・ラブというのもアレンジの良さも手伝い、かなり気に入りました。
 さあ、これからはしばらく、この調子で国境の南あたりをうろついていただきましょう。

Side A
01 Maria Elena
02 Jungle Drums
03 Anna
04 Without You (Tres Palabras)
05 Cherry Pink And Apple Blossom White
06 Taboo

Side B
01 El Choclo
02 Poinciana
03 Brazil
04 Amapola
05 Flamenco Love
06 The Breeze And I

1963 / Liberty Records (LSS-14030)

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