Boss Drag / The T-Bones

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 T・ボーンズをベンチャーズの弟分といまだに言っている音楽雑誌や中古レコ屋がありますが、全く違います。あれは、東芝が日本で売り出すためにつけたでっち上げのキャッチ・フレーズです。来日したメンバーはただのツアー用のでっちあげメンバーです。
 それが証拠に、このアルバムがあります。これがT・ボンズのデビュー・アルバム(1963年)。バンド名はホット・ロッドに使われたT型フォードに由来しています。プロデューサーは #デイブ・ペル 。アレンジャーが #ペリー・ポトキン・ジュニア 。そう来ると演奏メンバーも想像がつくのですが、後にCD化されたときに、コントラクト・シートから演奏したメンバーも特定されています。ドラムスが #ハル・ブレイン 。リード・ギターが #トミー・テデスコ#グレン・キャンベル 。そしてもう1名、アーバン・コールマンがリズム・ギター。ベースが #レイ・ポールマン 。スタンダップ・ベースに #ライル・リッツ 。そしてサックスに #プラス・ジョンソン#スティーブ・グラス 。60年代のアメリカ音楽を支え、形作ったセッション・ピープルです。
 曲によってトミーさんがテレキャスでパキパキとリードを取ったり、グレンがアグレッシブに突っ込んできたりしますが。基本サックス中心の作りになっていてエレキ・インストとはちょっといえないかもしれません。また、日本でもヒットした「ビートでOK」や「真っ赤な太陽」をご存じの方は、「これがT・ボーンズ?」と疑問に思うかもしれませんが、そうなのです。これがT・ボーンズのはじまりなんです。
 マーケッツで紹介したように、この時代アメリカ西海岸ではいろんなインスト・バンドがでっち上げられます。ヒット曲が出ると適当にメンバーを集め、ツアーをするという訳です。後にイギリスに渡ってウォーカー・ブラザーズとして大スターになるスコットとジョンは実はルーターズ(ラウターズ)のツアー・メンバーとしてデビューしたと言われています。

Side A
01 Rail Vette
02 Little Deuce Coupe
03 Big Daddy Stocker
04 Torque Rod
05 Drag City
06 Scorchin'

Side B
01 Draggin'
02 Shut Down
03 Boss Drag
04 Revin' Buggy
05 Hey, Little Cobra
06 Six Banger

1963 / Liberty Records (LRP-3346)

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