5号機関車 クラウス型SL ( Minitrains / HOe )

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西ドイツのナローゲージ模型の草分けといえば、エガーバーン社。

1960年創業で1967年頃に倒産してしまい市場から姿を消してしまいましたが、いまだにその人気は衰えることなく、中古市場ではなかなかの高値で取り引きされています。

その後、金型等が譲渡されたのか、ドイツ・カールスルーエのミニトレインズ社が引き継いで復刻版が発売されていまして、この黒いクラウス型SLはその復刻版のモデルです。

内部メカも刷新されていまして、なんとこのサイズでフライホイールまで追加、両軸モーターがキャブ内に縦に配置されておりまして、下側の軸は駆動ギヤに、上の天井側の軸にそのフライホイールが取り付けられており、スタートやストップ時の動きが大変スムースです。

ただの復刻で無くメカ的に大幅改善されているあたり、ドイツ人的な拘りなんでしょうか。
ドイツ気質を感じます。

さて、、、
この蒸気機関車のホンモノを生産したクラウス社。
1866年にミュンヘンで設立された車両メーカー、数々の鉄道車両を生み出した後、世界恐慌のさなかの1931年、同じくミュンヘンのマッファイ社と合併、クラウス・マッファイ社となります。(マッファイ社の製造した機関車で有名なのが私もメルクリンで持っているS3/6機関車です)

ところで、戦後、クラウス&マッファイ社の製品で有名なのが西ドイツ陸軍のレオパルト1、ゲパルト対空戦車、そして最新のレオパルト2主力戦車。
そうです、ミリタリーマニアの方なら「KMW」といえば分かりますよね、現代のクラウス・マッファイ・ヴェクマン社(1999年に兵器メーカーのヴェクマン社とも合併)が、この小さなSLを作った「クラウス社」の現代の姿のひとつ。

1999年、クラウス・マッファイの鉄道部門はジーメンス社と合併し、ジーメンス・クラウス・マッファイ社となり、2001年にジーメンス社に吸収されてクラウス社の名前での車両製造は終わりましたが、現在でもジーメンス社として世界中に車両や車両部品を供給し、その魂は受け継がれているのです。

そのひとつ、京急のドレミファ・インバーターは、ジーメンス社製、実はこの小さな機関車の子孫だったんです…。

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