Person-20-4 軽い?そこがサン・サーンス

初版 2024/09/22 22:51

改訂 2024/09/22 23:11


ピアノ協奏曲第4番ハ短調op.44

第1楽章 アレグロ・モデラート:アンダンテ
第2楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ:アンダンテ:アレグロ

オーケストラとピアノがユニゾンで歌いながら変奏曲風に入る。
即興的なフレーズがサン・サーンスのピアニストとしての腕の冴えを彷彿とさせる。
覚えやすいハ短調の主題をくり返しながら、豊かな弦楽の総奏と絡んでゆく。

彼の室内楽でも同じように感じるけど、この人、フランス人とは思えない。
粋よりも、ロマンティックです。
フランキスト(熱狂的なセザール・フランクのファン)だったのか循環形式のこの2楽章の協奏曲はラフマニノフ張りの強い和音の中にロマンティックなパッセージを細かく速く排しながらなかなか聴かせる。
でも、音楽には羽が生えていなくて、軽やかに舞わない。
アンダンテにはいると1音1音の粒立ちが保てないピアニストはぐしゃぐしゃにしてしまいそうなほど、さっぱりとした抒情が美しい。

強く、マルカートな音が合う。
残念ながらルービンシュタインは4番を弾かなかったようだ。
今は若手のピアニストの気の置けないレパートリーになっている。
『「すいか」食べてるみたい』かつて長女が一言で片付けた。
なるほどね。
言い得て妙だね。
あまりに毒がなく、サラリと弾き抜けるピアノの冴えと、さわやかに流れるオーケストラの弦楽の涼やかさ。
ちょっと水っぽいかも。
でも、アンダンテからアレグロに移る時のアチェレランドのかけ方、そこからの童謡のような民謡のようなピアノ独奏のメロディはいい。
愛らしくて、数瞬だけど、微笑ましい。
どう弾きゃいいのか、全ての山はなだらかで平和で同じ高さ。
でも、そこへ上るには何気なく弾ききってしまう腕もいるみたいだな。

当時フランスの気鋭のピアニストだったパスカル・ロジェがシャルル・デュトワ指揮フィルハーモニア管弦楽団と録音した演奏

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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