Person-20-2 サン=サーンス ルービンシュタインの十八番

初版 2024/09/22 22:30

改訂 2024/09/22 23:07

 ピアノ協奏曲第2番ト短調OP.22
   
   1.アンダンテ ソステヌート
   2.アレグロ スケルツァンド
   3.プレスト



第2番はサンサーンスが33歳の時の作品であり、17歳でリストに出会った彼が24も年の違うピアノの巨人に出会ってから16年を経ていた。
長生きをした分だけ多作であった彼には技巧が先走って重量感が乏しい作品も見受けられるのも事実だが、この作品も見方によっては同様の評価が下される部分があるかも知れない。
確かに、ピアノ部分が派手な分だけオーケストラが薄くなって行くところはあるけれど、技巧的に全盛期のリストが3楽章形式のピアノ協奏曲を作っていたら、やっぱり同じ評価を受けたんでないかな。
この第2番の第1楽章と第3楽章のピアノの華麗な技巧がさえ渡る部分については、リスト的作品として非常に聴かせどころが多い。
彼のピアノ曲の中でも最も流麗な成功作だと思う。


こんな作品だからピアニストの姿勢が裸で出てしまうね。

 

ボクはルービンシュタインの濃厚なピアノの響きの滑らかさのファンであり、何よりも、幸福に老いて逝った彼の己を知った言動が滋味深くて好きだった。
スタンウェイが最も似合うピアニストのこの第2番の演奏は、まさに作品を引き立たせる上で最高、最良のグランドマナーです。
絶頂期ではないにしろルービンシュタインのピアノのブリリアントでヴィヴィッドな強奏の崩れのない強さと弱音の洒落た扱いが、作品をふくらませます。 


もっとも、第2楽章のアレグロ・スケルツァンドのギャロップは音楽自体の軽さから深い抒情を取り出してみせるのは至難でしょう。
サン・サーンスはそこまで考えて作ったわけではないでしょうが、この第2楽章、もっとこう、どうにかならなかったのいかいな。(メロディは結構有名なんですよね。オケの部分をよくテレビなんかでも聴くことがありますね。)
ここだけはパスカル・ロジェが(彼は全集をやっつけている若手で、これがまたいい出来なのですが、)時にブラームスを思わせる響きを取り出して魅せたりして結構健闘しています。
個人的には第2番に関してはやっぱりルービンシュタインがいいのかなと思いますが、ロジェの全集への熱い思い入れに敬意を表します。

CDと同じソースです。指揮ハシャルル・デュトワ オケはロイヤルフィルです。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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