エモーションの類似

初版 2024/06/06 11:15

改訂 2024/06/06 14:45

ぼくだけじゃないと思うんだけど、その気がなくても誰かの曲に似た曲を作曲する人、あるいは何となく似ているフレーズが使われている曲っていくつもあるよね。似るってことはリズムやメロディが絡んだものがある。フレーズの切り方や様々な音楽の特性が含まれる。他愛のないものが多いけど、例えば、水戸黄門のテーマ曲『人生楽ありゃありゃ苦もあるさ』のフレーズが有名なあの曲は頭から終わりまで童謡の『どんぐりコロコロ』を歌うことができる。やってみた人いるかな。

作曲家自身が無意識に自分の中の音楽を参考にするもの、リムスキーコルサコフの『シェラザード』の主題となつかしのGS ザ・タイガースの沢田研二が歌った『雨の日曜日』、ショパンのピアノのための幻想曲ヘ短調とダークダックスの『雪の降る街を』なんかも昔の音楽のエモーションが時代や国民性を超えて人間が過去からずっと持ち続けている感性。

自分が昔どれだけその音楽にのめり込んだかで様々な形でにじみ出る。佐野元春さんとかね。だけど意図的なものを感じるものもある。

アル・スチュァートの『ヴェルサイユ宮殿』のイントロをそのまんま、歌詞をつけて自作の歌にしてしまう歌手。同じ時代のものはもう少し慎重にならなくちゃね。オリジナリティって凄く隣に座っている人の感性と近いと思っていなければプロではないのではないか、と思う。

これなんかどうだろう。

三木隆さんの代表曲テレサ・テンさんの『償い』この歌いだしのメロディ、どこかで聴いたことない?

モーツァルトの有名なピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466の第1楽章

この曲の第1楽章。オケの序奏がニ短調で終わった後のピアノが入る部分。その主題の見事な一致。旋律線の類似。その後の『償いの』フレーズのサビの部分からでもこのピアノは問題なく入ることができます。

逆にこの主題の入る序奏後ピアノではなくてテレサテンさんの歌のフレーズを始めるとホントにぴったりはまりますね。

モーツァルトのたった二曲の短調の曲の中でも、他のどの曲の緩徐楽章の短調よりもエモーショナルでドラマティックです。この曲のテンポを緩やかに落とし、歌い手の特徴のある艶やかな声に合わせると凄く感傷性を品よく抑えた感情の起伏が聴こえてきます。彼女に合わせた旋律の起伏も音階の違いはあっても無理なく歌うことができてしまう。

こういうのを聴いていると、人間の持っている感情の起伏や感性は何世紀も前とそんなに変わっていないような気がします。モーツァルトの頃の貴族的な階層の女性たちはこのエモーションを突かれることを品がないと感じたのかもしれません。『クラシックは演歌だ』と言った作曲家がいましたがなんかよくわかります。時代は大きく隔たり、国も違うけれど同じ人類が作った曲なんですね。

クララ・ハスキルがイーゴリ・マルケヴィッチ指揮のラムルー管弦楽団との共演です。有名な録音ですが、テンポが感情的に走ってないので比べ易いのでどうかな。この演奏ではピアノが際立つ再現部が比べ易い。

……………演歌です。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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